世界、大人の社会科見学!

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グルジア ジョージア

2018ジョージア18 ゴリで多分世界で唯一の”スターリン博物館”を10ラリ払ってじっくり見学した件

2019/07/31

大量の小麦とチーズでお腹をいっぱいにし、更には残りのハチャプリを鞄に隠し持った私は、レストラン前の大通りを北に歩く。もちろんスターリン博物館を目指してだ。ちなみにこの大通りは今でも「スターリン通り」と呼ばれている。

スターリン博物館は、大通りがY字に分岐した先、逆三角形の公園「スターリン公園」内にある。ちなみにY字分岐した先の2本の道の名はどちらも「スターリン通り」。スターリンのゴリでの人気の高さがうかがえる。まぁ出身地だしな。

出生地ということで長く残ったけれど、ついには2010年に中央広場から撤去されたスターリン像はその後この博物館に移動させられるという話だった。

実際にネット上には「スターリン博物館前にはそのスターリン像があった」という話もあるのだが、いろいろ調べてみると、どうもそれは間違いなのでは、という気もしてくる。

ゴリ市役所前のスターリンスクエアにあったスターリン像は高さが6mあり撤去にあたっては2010年6月25日の撤去にあたってた大型のクレーンで釣り上げられているのだが、「博物館前にある」とされる像は随分小さい。この小さなスターリン像はかつて市内の学校に置かれていた、ともある。

更には2016年に「撤去されたスターリン像の再設置を求める集会があった」というニュースもあり、それから2年、撤去された大型のスターリン像はまだどこかにしまい込まれているんだろうなぁ。

スターリン博物館の前には「スターリンの生家」がある。

もちろんこんな立派な建物ではなく、ゴージャスなこのパビリオンに守られた、

これだ。

ここにはこんな看板がある。

「1879年12月21日、I.V スターリンはここで生まれた。そして1883年までの幼年期をここで過ごした」

しかし「生家」とは言うけれどこれには異論もある。wikitravelにはこの解説について「もし私達がこの銘板を信じるなら」と、明らかに後に作られたことを匂わせているし、この「生家」は「スターリンの生きている時代に再建された」という話もある。

まぁ、ここは話半分に見学して、個人崇拝の痕跡を楽しむくらいの気持ちで見学するのが無難だな。猜疑心にかられて大粛清をやった人物が個人崇拝を推し進めるために作った、と考えると、普通に「生家」と考えるより余程興味深い。スターリン批判前までは聖地だったらしいのだけれど。

スターリン博物館に入る。博物館だけなら10ラリ(≒370円)、博物館とスターリンの使っていた列車車両の両方を見ると15ラリ(≒555円)。多分外国人価格で安くはないのだけれど車両と博物館の共通チケットを買おうとしたら、「今日は車両の中は見られない」とのこと。残念。


博物館のは規模も大きく展示物も多いのだけれど、悲しいことにその解説がほとんどロシア語とジョージア語で英語は少ない。

こうなると、人が多く集まっていたり個人的に興味を惹かれた展示の案内をスマホで画像翻訳させるしかないのだが、スターリン博物館はパネル展示が多く、どうあがいてもその全てをいちいち画像翻訳にかけることはできない。

高い入場料を払わせておいてこの仕打ち、実にスターリン博物館らしい、かもしれない。

お、これは知ってる。昨日行ったトビリシの地下印刷所だ。


ちなみに、印刷所の上に立てられたこの小さな家が再現されたものだと知ったのは見学後宿に帰ってからで、私の博物館入口前の「スターリンの生家」が多少厳しかったは、幾分そのためでもある。再現ならちゃんと再現って書けよな、だ。

と多少の愚痴は言ったけれど、この博物館がなかなか興味深いのも確かだ。

例えばこれはスターリンのクレムリンでの執務室。もちろん「再現」されたものだけれど。

友好関係にあった中華人民共和国から送られた70歳の誕生日を祝う旗。スターリンが70歳ということは1948年、まだ国共内戦状態にあった時期の「中国人民解放軍第2野戦軍」の文字がなんとも生々しい。戦闘の合間にこれを作ったのだろうか、と思ってしまう。

そして、これまたローマ趣味な柱に囲まれたのは、


スターリンのデスマスクだ。一度はエンバーミングされレーニン廟に収められたスターリン遺体は、スターリン批判後撤去・火葬され、そのリアルなデスマスクが見られる場所は多くないはずだ、というより、ここ以外じゃ展示しないだろう、と思う。

そして、野外に置かれているスターリンの鉄道車両。



どうして今日に限って中を見せてくれないのか、だ。中には会議室や個室、そして部屋に続いたバスルームなどもあると聞いており、私はこれが見たかった。残念。

残念がっていたら、後ろからとてもうれしそうな声がかかる。振り返るとそこには、昨日スターリンの地下印刷博物館を一緒に見学した男性がいた。「こんなところで合うなんて!」と、とても喜んでくれている。

行きがかり上握手をして一緒に記念撮影をすることになったのだけれど、正直困惑もあった。何しろ私はスターリンを支持していない。「いろいろあったけれどスターリンは『大人物』でしたよね」という彼の言葉に、私は曖昧に相槌を打つことしかできなかった。正直、個人崇拝と権力を守るための大粛清を行ったこの人物に共感する部分はない。

最近は昔より、ロシアやジョージアにスターリンを肯定する人たちもいるようだけれど、多分それは現実社会や国家に対する不満の一つの顕れ方なんじゃないかとも思う。あるいは、時間が経ちすぎて、物語から生々しい血の匂いが消え美化された結果か、もしかしたらそれを利用したい人たちがいるため、かもしれない。

それでもゴリのスターリン博物館は興味深い。ここを見学するために特にスターリンに共感を感じる必要はないし、何よりここには歴史上有名な独裁者についてのか各種資料が展示されている。

このご時世、こんなもんもが見られるのは、ここジョージアのゴリだけだ。

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