世界、大人の社会科見学!

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2018アルメニア2 エレバンで日本人が経営/調理する和食店「櫻田」に行き、おいしいかき揚げうどんなどをいただいた件

2022/10/03

アルメニアは地理的には「メソポタミア高原の一部」と見なされているらしい。

私の頭の中で「メソポタミア」はアッシリアからバビロニア界隈、現代で言えばペルシャ湾の最北部であるイラクのバスラ辺りからシリアのアレッポ辺りまで、という印象なのだけれど、アルメニア高原もメソポタミアなのだそうだ。アルメニア南部からイラクの北部までは3-400km程度の距離だし、納得が行かないこともない。

そんな世界最古の文明の一つで長い歴史を持つアルメニアは、「公式に世界で最初にキリスト教を受容した国」でもある。紀元301年、アルメニアのティリタデス3世(TiridatesⅢ)は、「アルメニアの国家宗教」としてキリスト教を採択したのだが、後にこれがイスラム教国であったオスマン帝国とのトラブルの背景になったりもする。

トルコやアゼルバイジャンとは国境を閉ざし、陸路の国境といえばジョージアとイランだけ。旅行ルート的にはそんなに便利な国じゃない。

そんなアルメニアの首都エレバンにはとても親切で人の良いおばあちゃんがやっているシャワーのない「リダの家」などの安宿もあるのだけれど、短期旅行者の私はエレバン中心部にあるIBISに宿泊した。街の中心である地下鉄のリパブリックスクエア駅から徒歩6分、何をするにも便利な場所にある。私が予約したとき朝食なしとはいえ1泊5000円台なのも大きかった。

ウォークインだと8000円以上するんだな。やっぱりホテルはネット予約が一番安い。

ibisはソフィテルやノボテルを展開するアコーホテルズが経営するエコノミーホテルで、「簡素だが低価格」がコンセプトなのだが、私に目にこの部屋は「簡素」とは映らない。十分満足の行く豪華な部屋ではないか。エアコンと窓とwifiがあって清潔に保たれている個室、私はこれ以上を望まない。


当たり前のことだけれど、スタッフも親切だ。しかしそれだけではなく、私のパスポートを見たレセプションの女性はこう言った。

「いろいろな国に行かれているですね。私達の国には長い歴史と様々な出来事がありますが、実際にアルメニアをご覧になってここを好きになってくれればと思います」

アゼルバイジャンやトルコの入国歴をみてそう思ったのかもしれないけれど、それにしてもその言い方はとても丁寧で好印象だ。イミグレで怒鳴られたことを思うと天と地の差、とも言える。もちろん、長い時間は取れないけれど、アルメニアの人と文化をたくさん見せていただきます!

ホテルに荷物を置き、街を歩く。ibisから20mの場所にある Northern Avenue は歩行者天国となっていて、夜には大道芸や音楽を披露する人も集まってくる、楽しい場所だ。

そしてエレバンには日本人が経営する和食店がある。

エレバンでも和食はそこそこ人気で、「わさび」というよくある「他国の人が理解する『和食』を提供する店」があり、これが結構人気のようで市内の何か所かで見かけたのだが、これではない。

私の泊まったイビスから徒歩5分の場所にある「櫻田」だ。

南コーカサス3国には、多分2軒の日本人が経営する和食店がある。1軒はアゼルバイジャン/バクーの瀬戸、そしてもう1軒がここエレバンの櫻田、勤労ビザなしで1年仕事をしながら滞在できるジョージアにもありそうなものだけれど、どうやらないようだ。

ジョージアにも地元の方が経営する「和食店」はそれなりにあるけれど、日本人が調理に関わる店はないようで、かつて「日本人の経営する弁当屋さん」があった程度なのだそうだ。

トビリシのコンフォートプラスに並ぶ人気宿ファブリカには「国外としてはそこそこおいしい」ラーメン店があるのだけれど、日本食を食べるならここくらい、というのが現地であった日本人旅行者に言葉だった。トビリシにはチュリもあるしいいんだけどね。

日本人経営の和食店「櫻田」は、2014年にオープンしたのだそうだ。

2017年時点での在留邦人数が僅か27人というここアルメニアで、日本人によるオーセンティックな日本料理にどれだけの需要があるのか心配になるけれど、それでもオープンから4年が経っている。看板にはなんとなく国外でよく見かける感じの寿司の写真があるのだけれど、人気なのはうどんやカレーなのだそうだ。

まずはビール。ビールは日本産より現地のが楽しい。

そして冷やし天ぷらうどん。多分手打ちなんだろう。おいしいです、とてもおいしいです。出汁はどもあれ、うどんとかき揚げくらいなら、アルメニアで手に入る食材でもそれなりのものが作れるのかな。

ここ櫻田は懐石や寿司のような高級日本料理店ではなく、うどんやカレー、定食などがメインの和食堂のような店だった。個人的には、こういう店の方が好きだしうれしい。久々の和食、うどんだけでは足りない。生姜焼き定食を追加する。

うれしいねぇ、日本の味だよ。あまりにうれしくて、翌日も来てしまう。この日は別銘柄のアルメニアビールと、カレー。カレーは多分日本のルーを使っている、家庭的な味だ。おいしいです。


店内にはなぜか「バガボンド」ような絵が書かれている。もしや作者の井上雅彦さんが?と思ったら、これは現地の方による絵なのだそうだ。日本の漫画マニアさんは、世界のどこにでもいるもんだねぇ。

店主の櫻田さん。「お写真をよろしいですか?」とうかがったとこと、嫌な顔ひとつしないで笑顔を見せてくださった。

在留邦人わずか27人、2016年には17人だったというこの国で、食堂型の日本料理点を維持経営していくのはそんなに簡単なことではないのかもしれない。でも、アルメニアでおいしい和食をいただくためにも、櫻田さんにはぜひこの店を繁盛させていただきたいと思う。

あのおいしいかき揚げうどんは約450円、アルメニアなのに日本と同程度かあるいはもっと安くいただくことができる。

ここで日本人が作る和食を食べそこねると、次はバクーかイスタンブールに行くまでチャンスはないぞ!

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