世界、大人の社会科見学!

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2018アルメニア5 エレバンの市内を歩き、長いエスカレータで登るカスケードから街を見下ろし、夜は共和国広場で噴水のショーを見た件

2022/10/03

アララットのブランデー工場、いや博物館を見学し、Mesrop Mashtots通りを自由広場方向に北東に歩く。

フラズタン川にかかるビクトリー橋の近くから、対岸をのぞむと、またなんとも雰囲気のある風景が広がる。アルメニア教会と少し古いソ連型のアパートと、多少は新しい所得の高い人が住みそうなアパートが並び、その手前は断崖と荒れ地。こういう光景、嫌いじゃない。

通りを更に進むと、市場なんだかスーパーなんだかよく分からない大型店舗があったので、果物を買い込む。旧ソ連に限らずヨーロッパでは果物が安くておいしい。日本では果物が高くてなかなか思うようには買えないけれど、夏のヨーロッパ、ましてや南コーカサスなら、思う存分果物を楽しむことができる。

大型店舗からほんの少しだけ歩くと、道路の右側にモスクが見えた。エレバンブルーモスク。世界最初のキリスト教国とは言え7世紀にはイスラム教が浸透してきた歴史もある。

もちろん2つの宗教の関係は必ずしも良いものばかりではなかったが、少なくともアルメニアではイスラム教を禁止することはない。多くの国民はアルメニア教会の信者だけれど、少数民族のクルド人やアゼルバイジャン人はイスラム教を信仰している。


でも、このモスクはイランとの協力のもと作られたもので、間違ってもトルコではない。まぁ当たり前、だな。2009年からはその関係を修復しようとしている両国だけれど、まだ道は長そうだ。

ブルーモスクの中にはイラン大使館とアルメニア文科省の協力のもとに作られた、イランの手工芸文化の展示室もある。

更に進んで自由広場まで来ると、まるで歴史を感じないオペラ・バレエ劇場がある。アルメニアでは安くオペラなどが見られるらしいのだけれど、8月はバカンスのシーズンであり、他のヨーロッパエリア同様ほとんど鑑賞できるプログラムはない。

そして劇場の前に置かれているのは、ハチャトリアンの彫像だ。「剣の舞」で知られるハチャトリアン、私は「ソ連の作曲家」とだけ思っていたのだけれど、アルメニア出身だったのだな。

この有名な曲はバレエ組曲「ガイーヌ」(ガヤネ-)の一曲であり、舞台の前日に「クルド人が剣を持って踊る」という場面が追加され、徹夜で作曲したという話もあるのだけれど、当人はともかく譜面書きやオーケストラの練習が果たして本当にできたのか、という疑問もわかないでもない。

更にはこの曲が有名になりすぎてハチャトリアンは多少複雑な気持ちを抱いていたらしい。いや、贅沢を言ってはいけない。その「一発」が欲しい作曲家は、世界中に山程いたり、今もいる。

 

自由広場を北上して見えてくるのが、有名な巨大な階段「カスケード」だ。

「カスケード」はソビエト・アルメニアの成立50年を記念して1971年に建設が始まり、1980年にそのおおよそが完成した。エレバンを象徴する場所でもある。

ちなみに「アルメニアソビエト社会主義共和国」が成立したのは1920年。そして1922年にアルメニアはアゼルバイジャンや当時のグルジアと共にザカフカース社会主義連邦ソビエト共和国を構成し、1936年のスターリン憲法制定時に廃止されるまで、アルメニアは独立国ではなくなっていた。そして、スターリン時代のアルメニアも、決して平和な時代ではなかった。アルメニアだけが大粛清を逃れることはなかったのだな。

カスケード前の公園はちょっとしたアートギャラリーになっていて、様々な彫像が置かれている。全然知らない作品ばかりだったけれど、知る人ぞ知る、なのだろうか?



カスケードは巨大な階段だけれど、左側にはエスカレータも設置されている。特にチケット等は要らないようだったので利用そしてみる。


7基のエスカレータがつなぐフロアもちょっとしたギャラリーになっていて、コンテンポラリーアート的な作品が展示されている。カスケード前の公園といい、どうもこの周辺にはこの種の作品が多い。


エスカレータを乗り継ぎ最上階に出て、エレバンの街を望む。カスケードが緩やかで長い階段なので、高所から眺める感は少ないけれど、それでも街を見渡せるのは良い。

カスケードから街を見下ろした私は、櫻田でカレーを食べ、共和国広場の噴水に向かう。ここでは夏の間、噴水のショーは行われるのだ。ついでに、空港に行くバス停も確認しておこうという腹づもりもあった。

夜のエレバンもなかなか美しくてそぞろ歩きが楽しい。


空港に行くバス乗り場には何のサインもなかったけれど、今は広場内の駐車場ではなく、噴水の北側、abovyan通りから出るらしい。少なくともここでを売っている人はそう言っていた。駐車場にはトビリシ行きのマルシュもある、だったら来るときも駅じゃなくここでおろした欲しかったぞ。

共和国広場、歴史博物館前の噴水ショーは、夜8時から始まる。

 

BGMに合わせてライトアップされた噴水が幾通りのもパターンで吹き出す、というこのショーは、正直結構どこにでもあるようなものだけれど、街の中心部で無料で見られる、ということもあり、それなりに人が集まってくる。まぁ私も来たんだけれどね。

音楽に「剣の舞」が使われるのはハチャトリアンを生んだアルメニアとしては当然だろう。

日程の都合でわずか2泊、事実上中1日しか観光できなかったアルメニアの首都エレバンだったけれど、それでもトビリシから4時間少しかけてやってきた甲斐はあった。

正直アルメニアブランデー「アララット」にはあまり関心はなかったけれど、南コーカサスと周辺国の複雑な歴史と外交関係を肌で感じることができただけれど、アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニアの3国を移動したのは正解だったと思う。

もう少し時間があれば、イランにも行けたかなぁ…。

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