2019香港/深セン1 空港でe道を申請し、深セン羅湖で1泊80人民元の安宿に泊まった件
2022/10/03
最近香港に行く機会が多かった。
全てプライベートな旅行であって、いつもの「連休に安いチケットが合ったから」という理由での香港だったし、必ずしも最終目的地が香港だけだった訳でもなかったのだが、ともかく半年の間に既に3回飛行機で香港に入国していた。となると、頭に浮かぶことがある。
「あ。これはe道(e-Channel)が取れそうだ」
知らない人も少ないと思うけれど、e道(e-Channel)とは香港入国管理の自動化ゲートのことだ。空港のみならず海路・陸路を含めた香港の国境の多くにはこのe道があり、係員によるイミグレ窓口の行列を回避することが出来るし、入国カードの記入も不要になる。
このe道を申請するには、APECや香港のトラベルパスを持っているか、プログラムに参加している航空会社の上級会員になるか、過去12ヶ月で4回空港から入国しているか、のどれかの条件を満たさなければならない。
最近LCCとアエロフロートばっかり使っていて参加航空会社の上級会員など縁のない私だけれど、わざわざ提携のクレジットカードを作ったりお金を払ったりしてまで上級会員になる考えは皆目なかったし、もしかしたらこれは絶好の機会かもしれない。パスポートも更新したばかりだし。
というわけで、今回また香港に行くことにした。目的はe道に登録をすることでキャリアはもちろんHKexpress、往復2万円程の安チケットだ。
e道を申請するには、香港に到着、入国スタンプを受けた後、かつバゲッジクレームに出る前に申請所に出向く必要がある。空港以外では湾仔の入境事務大樓に出向く手もあるけれど、この後深センに入る私としては、できれば空港で済ませておきたい。
ちなみに空港のe道申請窓口は、入国管理窓口の裏にあり、右側は朝10時から午後6時、左側は朝7時から夜11時まで開いているが、左右の申請窓口の間には壁があり行き来はできない。香港エクスプレスUO849便で20:00に香港に到着する私としては、なんとしても左側の入国窓口を通って申請窓口に行かなければならないのだが、
右側の入国窓口しか空いていない。
入国時「e道を申請したいんですけれど」というと、係官は「一旦ドアを出て左側に行ってね」などと呑気なことを言う。そんなこと可能なのか??
入国後、一応右側のe道申請窓口を覗いてみる。
窓口に係員はいないけれど、自動申請機があったので試してみるが、「ここでは申請できない」とのメッセージしか帰ってこない。やっぱり「左側」の窓口に行かなきゃだめなんじゃん!
一度バゲッジクレームエリアまで出て、「左側」の入国窓口につながるドアの前にやってきて、そこが開くタイミングで逆流をする。基本ここは一方通行なのだ。閉じているはずの左側イミグレからやってくる人がいるのは、もしかしたら一部が空いていたか、あるいはe道がここに通じていたか、まぁそんなところだろう。私的には「とにかく入れて良かった」だ。
e道申請窓口には、私を含め3組4人がいた。それに対して係員は一人。ひとりひとりインタビューをしてから入国履歴をチェックするため多少の時間はかかり、この場所に来てからe道の申請が終了するまで30分はかかった。
e道ゲット。最近の香港国際空港のイミグレはLCCの到着する深夜は混むことが多いし、深センの外国人専用行列も年々長くなっていくし、取れるものなら取っておきたかったのだ。これで香港の入国が手速くなる。
これで今回の香港旅行の目的は8割型達成、だ。そして今回は「宿代の高い香港を避ける」というお得意の技を使うことにする。深センに宿を取るのだ。
まずは香港と深センなど広州で使えるSIMを到着フロアのセブンイレブンで購入。ついでにオクトパスカードにもトップアップをしておく。
このセブンイレブンはSIMが安くよく売れるようで、店先にはSIMを入れるためのテーブルとピンまで置くようになった。値段も安めだし便利なことこの上ない。香港は短かい旅行でも事前にSIMを購入しないで安心して出かけられる国だ。
今夜の宿は深セン羅湖。今回は素直にA43バスで上水に出て、
MTRに乗り換え上水から羅湖へ。そしてそのまま中国メインランド・深センに入る。
このルートは空港から深センに行く方法としては割高だ。A43バスがHK$30.9、MTRがHK$24、合計HK$54.9(≒741円)もかかってしまう。MTRの上水↔羅湖がかつての国境鉄道価格を引きずって割高なせいだ。
これが元朗行きのE34A/Bバスと福田口岸行きのB1バスを乗り継ぐルートだとオクトパスでの総額はHK$21.9 と半額以下になる。
時間があればこのルートで福田口岸に出てそこから地下鉄で羅湖に出る手もあるのだが、福田口岸の運用時間が6:30-22:30であるのに対し羅湖口岸の運用時間は6:30-24:00、更に羅湖には外国人専用通路もあるなどするので、状況によって使い分けることになる。今回は早く宿に入りたかったこともあった。
そして今夜の宿。羅湖口岸から徒歩10分とロケーションだけは絶妙な聚福園賓館。
(撮影は翌朝です)
この安宿の中でも最安に近い「スタンダードカップルルーム」に泊まったのだが、これが最近ではなかなか出会うことのできないレベルの部屋だった。
一応シーツなど寝具は洗濯されているしタオルもある。部屋にはエアコンもテレビも、お湯の出るシャワーもある。
しかし窓はないし、トイレ兼用のシャワー室には洗面台もない。一応大瓶のシャンプー類と歯ブラシが置いてあることが奇跡のようだ。シャワー室内には若干匂いがある。排水系の匂いだ。素直に「下水臭い」と言えなくもない、な。
天井もなかなかすごい。穴が空いたままは放置しないという気配りが泣かせる。
まぁ、中国の安ホテルとしても「かなりオンボロ」と言って良い。清潔感だけでもよくあるビジネスホテルチェーンより数段劣ることも事実だ。
しかし、しかしだ。この宿のこの部屋は1泊80人民元(≒1183円)、税込みでも94元(1390円)と、羅湖口岸の徒歩圏内で予約の出来る宿としては最安、そして225HK$(≒3040円)もした香港の安宿とは違い体を曲げずに寝られるので安眠もできた。
部屋の広さだって3倍以上、それなのにお値段は3分の1に近い。やっぱり深センの宿は安い。というか、香港の宿が高すぎなんだけれど。
この宿、家族を連れて泊まる気にはなれないけれど、この場所でこの価格なら一人旅なら十分我慢ができるレベルだと言って良い。一応個室で一応お湯シャワーとエアコンがあってメールがぎりぎり読めるくらいのwifiが使えて、バックパッカー時代を思えば夢のようじゃないか。