2019務安/木浦/珍島③ 海割れしない珍島で、3月から12月の間毎週土曜日に無料で行われている伝統芸能の公演を鑑賞した件
2022/10/03
まぁ、正直珍島犬テーマパークの展示とショーは、わざわざこれを見るために珍島に来なくてもな、と思わないでもなかったけれど、私にはもう一つ隠し球があった。珍島郷土文化会館での伝統芸能公演だ。
珍島郷土文化会館は珍島共用バスターミナルから約700m、珍島犬テーマパークに向かう大通り沿いにあり、3月から12月までの毎週土曜日、ここの大ホールでは「土曜民族旅行」と題された伝統芸能の公演が、なんと無料で披露されるのだ。
韓国では観光地や繁華街で無料のアトラクションがあることは珍しくないが、①ほぼ通年に近い期間、②毎週、③しっかりしたホールで、④無料の、公演が行われるのは他に知らない。特にホールで、というのが良いではないか。公演開始は毎週土曜日の午後2時とのことだったので、私は珍島犬のレースが始まった頃に郷土文化会館に移動を始めた。
珍島犬テーマパークから珍島郷土文化会館までの距離はおよそ1km、レースを見終わってから移動しても間に合ったのかもしれない、いや、狭い珍島、2つのアトラクションは連続して見学できるようになっているとは思うのだけれど、今ひとつ犬のショーを楽しみきれなかった私は、早目に移動を開始してしまった。ちょっとお腹が空いたので、街で何か買いたかったこともある。
「土曜民族旅行」を紹介する珍島郡役場の公式ホームページはこうある。
土曜民俗旅行(常設公演)
ㆍ住所 全羅南道 珍島郡 珍岛邑 珍岛大路 7197 珍島郷土文化会館大公演ホール
ㆍ電話番号 郷土文化会館 (061)540-6253
ㆍ管理者 郷土文化会館
「週末は「幻想の島」珍島で素敵な思い出をお作りください。珍島の美しい自然と郡立民俗芸術団による民俗公演は、韓国民族の心理的ルーツを垣間見せてくれます。また、多島海の島々の間に暮れる細方落照の秘景に酔いしれ、民俗民謡の音色を聞きながら、珍島の銘酒「紅酒」を飲んでいると、日頃のストレスや悩みが一気に吹き飛んでしまうでしょう。」
「·公演内容 | カンガンスルレ / 南道トゥルノレ / 珍島シッキムグッ / タシレギ / 珍島太鼓舞い / 珍島挽歌 / 珍島アリラン / サムルノリ / 南道民謡など」
「土曜民族旅行」という名前やこれらの記述から、やはりこれは週末の旅行者を当て込んだアトラクションであることがよく分かる。実際ショーの始めには「ソウルから来た方、どれくらいいらっしゃいますか?」的MCもあった。定期公演によって伝統芸能の伝統と技術、そしてクオリティも維持できるし、更には地元にある程度のお金も落ちる、のであれば、これは無料で披露する価値もある、というものだ。公共のホールなら費用も安そうだし。
珍島郷土文化会館の大ホールは、客席は2階建てで定員およそ1000人程だろうか。珍島犬テーマパークに向かう時に撮影したこの写では人はいないけれど、公演時には客席の8割は埋まっていた。
公演内容は時期によって微妙に変化するようだが、この日の演目は「珍島アリラン」とはじめとした民謡や舞踏、韓国獅子舞、踊り、寸劇、サムルノリなど。一応プログラムも頂いたけれど、何が書いてあるのかは謎だ。
私は世界の伝統芸能の全てが好き、ではない。韓国のそれも「ものすごく好き」という程でもない。しかし、ここ珍島郷土文化会館で行われる「土曜民族旅行」公演では、全ての楽曲の伴奏が生演奏で行われた。これはうれしかった。生演奏の公演は、録音された音源にあわせて歌ったり踊ったりする公演の100倍の価値がある。
ちゃんとしたホールでの公演なので、照明や音響も野外イベントとは比較にならない出来だ。それなりの出来の背景画や大道具類も、短期間の公演のためならきっと作られなかっただろう。
公演内容を録画することはできなかったのだけれど、やっぱりというか、誰かが記録したものが動画サイトにあったので、とりあえず貼っておこう。まぁ、こんな感じのショーだ。
先に書いたように私はことさら世界や韓国の伝統芸能が好き、ではない。しかし、1時間30分にわたる、演奏者だけで10人、歌い手や踊り手も10人はいたこの大規模なショーは、せっかく #務安チャレンジ で木浦にやってきたのなら、珍島への郊外散歩とあわせて見てみるのも悪くない気がする。公演後は歌い手さんや踊り手さんとの記念撮影も可能だ。
この「土曜民族旅行」公演を見て印象的だったのは、観客の年齢層の高さとノリの良さ、だった。
珍島犬テーマパーク観客の平均年齢がこどもも多いし25歳くらいであった(印象)のに対し、郷土文化会館大ホール観客の平均年齢は、多分63歳くらいな気がする。そして、みなさんお年に関係なく、あるいはお年がそうさせるのか大変ノリ良く,中にはかなり頻繁に大声で叫ぶ方も数名いた。なんというんだろう、韓国パワー、だな。
珍島郷土文化会館、ホールの反対側にはギャラリーもあったので、のぞいてみる。
うーん、あまり面白いない。正直私はそんなに絵が好きではない。
珍島の市街地を少し歩き、バスターミナルへ。
バスの発車まで少し時間があり、更には小腹がすいたので、街で2000ウォンののり巻きを食べる。今回、珍島でも木浦でものり巻きは2000ウォンで食べることが出来た。これがソウルじゃ、いや、釜山や大邱でもなかなかこうはいかない。
初めての珍島、島の中心部の半径2kmのエリアをうろうろしただけだったけれど、2つの無料大型(?)アトラクションのおかげで、それなりに楽しめることはできた。
珍島郡役場曰く、珍島には、雲林山房、神秘の海道、珍島大橋 / 珍島タワー、細方落照、土曜民俗旅行、珍島犬テーマパーク、鳥島 / 観梅島、龍蔵城、李忠武公碧波津戦捷碑、南桃鎮城の珍島十景なるものはあるのだけれど、今回は約5時間の滞在でその中の3つを見たことになる。他の場所を見るには、現地でバスに乗るか車を借りるか、ということになるので、#務安チャレンジ の旅行者はこんなもので良い気もする。