世界、大人の社会科見学!

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韓国

2019務安/木浦/珍島⑤ 駅に近い旧市街で、2014年に内部公開された旧日本領事館 ー木浦近代歴史館1館ー を見学した件

木浦で観光エリアというと、まずは儒達山(ユダルサン)や笠岩(カッバウイ)の名が上がる。

儒達山は海を見下ろすことが出来る標高228mの山で,木浦を代表する観光地らしいのだが、正直ちょっと景色が良い程度の理由で山歩きをするのは面倒だ。

笠岩に至っては「二人の人間が笠を被って並んでいる姿に見える岩」というだけで、更にはその姿を前から見るにはわざわざ船に乗らなければならない、という。

観光の好みは人それぞれだろうけれど、個人的にはどっちも大変につまらなさそうに思える。そこで今回はまずは日本家屋の並ぶ旧日本人街から歩いてみることにした。スタート地点はKTXも止まる木浦駅前だ。


木浦駅前には ”MOKWON-DON HISTORY ROAD” のサインがある。これに従って歩くだけでも、個人的には儒達山や笠岩の「良い景色」を見るよりはよほど興味深い。単なる好みの問題なのだけれど。

木浦は李氏朝鮮時代に開港した港町であり、日本統治時代には8000人以上の日本内地人が住んでいた。その頃は商船半島有数の大都市だったのだけれど、1970年代以降は急速に衰退した。これは、ソウルから釜山を結ぶラインを経済成長のラインとした政府の政策があったため、とされる。言い方は悪いけれど、まぁ、ちょっと忘れられた田舎町、になってしまったのだな。

しかし、経済的には厳しいかもしれないけれど観光的にはなかなか面白い。開発がされない分昔の物が残るからだ。そして木浦駅周辺には、旧日本領事館や日系銀行などの日本建築が残る。韓国では嫌われがちな日本家屋は、群山、浦項の九龍浦、そしてここ木浦と、多少開発から取り残されたエリアに多い気がする。


まず目指すのは、儒達山東端に建つ旧日本領事館だ。


木浦の旧日本領事館前には「国道1・2号線起点」の石碑がある。

かつて「新作路」と呼ばれ現在アジアハイウェイの一部でもあるた国道1号前は、ここからソウルを通り中国国境の新義州(現在は北朝鮮領)に、国道2号線は釜山に続く。旧日本領事館前のこの場所が国道の起点であるのは、国道1・2号線が「国道」として本格的に整備されたのが日本統治時代だったことと無関係ではないだろう。

そして、石碑の少し上にあるのが、旧日本領事館だ。

この建物が「日本領事館」だったのは1900年から1907年まで。1914年からは木浦府庁舎、戦後は図書館や文化院などとして使われ、現在は木浦近代歴史館1館となっている。近代歴史館としてオープンしたのは2014年2月と結構最近のことで、それまでは建物の外観しか見ることができなかったらしい。


ちなみに入場料2000ウォンにはかつて東洋拓殖株式会社だった2号館の入場料も含まれるので、チケットをなくしてはいけない。

島国の日本とは違い寒さの厳しい大陸性気候であるせいだろうか、館内の部屋には暖炉が設けられている。なんとも贅沢じゃぁないか。


館内には、日本統治時代を中心とした資料が展示されており、なかなか興味深い。


近代歴史館の2号館となった東洋拓殖株式会社の、農業移民募集要項。あまり豊かではない日本の小作農にとって、農業移民は自分の土地を保つチャンスだった。移民のその後は移民先の国によって様々だが、少なくともここのやってきた移民は、最終的に土地を手放すことになる。


かなり昔のランドセル。日本でいつからランドセルが使われたのか気になったので調べてみたら、1887年に大正天皇が学習院初等科に入学する際に伊藤博文が軍の将校に習ったランドセルを送ったのことが、通学カバンとしてのランドセルが認知されるきっかけだったらしい。

革製のランドセルは昭和30年代までは贅沢品だったようで、このランドセルの持ち主は、それなりに豊かな家庭で育ったのだろう。


日本の置き薬、そして龍角散。これも富山から置きに来たのかなぁ、「年に一度のこんにちは」だったのかなぁ、と想像は膨らむ。

かつての木浦の街並み。日本人街と韓国人街はそれぞれ別に広がりで、それらのエリアが近接する五叉路が街の中心だったらしい。



そして、見学ルート最後が、統治からの解放を祝うこの部屋。


室内には韓服も用意されていて、これを着てパネルの中に入り記念撮影を行うことが出来る。そして、感想をメモに書いて吊す。ふむ、分かりやすい。



ちなみに領事館下には、当然のように例の少女像も置かれている。これは2016年と近代歴史館オープンの2年後の設置になる。まぁ木浦にこの像を置くならば,ここ以外にないだろうなぁ。一旅行者としては「なるほど」と見学するだけで、特に感想を言うつもりはない。

旧日本領事館裏には、もう一つの見所がある。防空壕だ。



木浦に残る防空壕としては、最も立派で保存状態も良いのがこの防空壕らしい。領事館ご用達なのだからそれなりの造りになるのだろうな。


内部は昔とあまり変わらないらしいのだけれど、この防空壕を作らされている現地の方と、それを強要する日本人の軍人だか警官だかの人形が置かれ、照明で照らされている。



これだけの物を見せてくれて、更には2号館にも入れて2000ウォンなのだから、ここでチケット代をケチってはいけない。ただ領事館の外観と防空壕を見るだけならチケットは不要だ。

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