2019釜山/対馬/ソウル⑩ 最も安く手軽に南侵第3トンネルや都羅展望台などを見学できるDMZトレインに、また乗ってしまった件
2022/10/03
ソウルで何をするかいろいろ迷ったのだが、北朝鮮の開城を望む都羅展望台が2018年の秋に新築・移転されたと聞いて、更にはまた南侵トンネルを見ようと、例によってのDMZトレインに乗ってみた。
DMZトレインは2013年秋の運行開始をめざしその年の春に車両の改造が始まったのだが、業者選定の難航や国鉄労組のストライキなどの影響で作業が遅延し、実際に運行が始まったのは2014年の5月、今から約6年前のことだった。
路線にはソウルと都羅山駅間を結ぶ京義線、そしてソウルと白馬高地駅間を結ぶ京元線の2系統がある。白馬高地駅は営業を行っている駅としては韓国最北にあり、1952年10月に起きた白馬高地の戦いは、まさにこの駅の北側で行われた。
かつて北が占拠していて今はゴーストタウンになっている鉄原の街が見られるなど、こちらはこちらで極めて興味深いしもうかなり長いこと鉄原には言っていないのだけれど、今回は新しい都羅展望台を優先してみた。
出発駅は龍山かソウル。今回も始発の龍山ではないソウルを選ぶ。近いんだもん。
チケットは前回同様ネット予約。Korailのサイトから「乗車券」→「DMZ TRAIN」を選べば表示された列車を予約することができる。
いや、正確には「できた」と書くべきだった。2019年10月2日よりDMZトレインは、アフリカ豚コレラ(アフリカ豚熱)の拡散防止対策に伴い都羅山駅へ乗り入れる全列車が運休となったため、DMZトレインも運休となっている。全列車と言っても、DMZトレイン以外の列車は貨物列車を含めて走ってないようにも思うのだけれど。まぁ、運行休止の数ヶ月前に乗ることができたのだから、これは幸運だったと言って良いかもしれない。
ソウル駅の構内を歩いていると、”Korail MemberShip Lounge” なる建物が目に入る。
このラウンジは、基本”Korail Membership Card” の所有者が利用するようなのだが、話を聞いてみるとKTXやセマウル号の乗客も利用出来るという。DMZトレインは車両はともかく一応「セマウルの特室」扱いなのでチケットを見せてみると「どうぞお入り下さい」とのこと。聞いてみるものだな。
中はと言うと、そうだなぁ、国内地方空港のカードラウンジレベルのスペース、と言えばそんなに違和感はないかもしれない。とりあえず駅構内にソファとテーブル、そして電源がある。
スナックなどはないし、飲み物はコーヒーマシンはあったけれど、どうも無料ではなさそうだ。まぁ、場所と椅子だけのラウンジ、だな。
前回もそうだったけれど、DMZトレインは直前まで入線ホームが確定しない。多くの場合13番ホーム、14番ホームが使われているようなので、案内表示の看板はでているけれど、出発約10分前にならないとホームの表示は出ないし、係員も「分かりません」としか言ってくれない。頻繁に出入りする列車のスキを見て入線するんだろうなぁ。
とは言え、列車の車体は極めて特徴的なので、乗り間違えることはまずない。
3両編成の列車はディーゼルカー。韓国では日本の急行に近い「ムグンファ号」9501系気動車を改造した車体には、平和を象徴する「手を繋ぐ人々」などのいかにもそれっぽいイラストが描かれている。車内も、ムグンファ号とはまるで違う。まずは、やたらイラストが多い。
運が良ければテーブルのある席もあるし、窓向きの座席などもあるのだけれど、少なくとも私の場合はネットで切符を購入した場合どの番号がどの席か分からないので、振り当てられた座席を素直に受け入れるしかない。
窓上部の一般に広告を出すスペースには、DMZ(非武装地帯)やエリアの歴史についての写真展示が掲げられている。
売店もあり、スタッフもいる。ここのスタッフは、飲み物だけではなく乗客に現地ツアーの販売をするという大切な仕事を持っている。移動途中スタッフがDMZツアーの参加申込書を配ってくれるので、参加意志のある人はここで必要事項を記入する。っていうか、この列車に乗ってDMZツアーに参加しない手はない。
DMZトレインはのんびりした速度で京義線を1時間半走る。最後の一般駅である汶山から都羅山駅までの間は既に規制エリアだ。入域検査を受けるためまず臨津江駅に降りる。
でチェックを受けDMZトレインに再乗車、最終目的地である都羅山駅に向かう。
ここで窓口に並び、DMZツアーの申請を支払いを行う。前回南侵第3トンネルでケーブルカーに乗れなかった私は「ぜひケーブルカーに乗りたい!」と言ったのだけれど既に満席。もしかしたら、車内、いや、ネット予約なんかでみんなケーブルカーを抑えてしまってるのかもしれないなぁ。
ツアーのお値段はと言うと、9200ウォン(≒845円)。これは非武装地帯内の4ヶ所を巡るバス代だけで、食事代は含まれていない。どの見学地も入場料はかからないのでその点は心配はない。運良く南侵第3トンネルのケーブルカーが取れた人は、11900ウォン(≒1095円)を支払うことになる。
とりあえずぼったくりからまともなものまで、マスクの在庫はこちら。値段はともかく、「手に入らない」ということはないみたい。