2019釜山/対馬/ソウル⑫ 釜山/金海国際空港まで6分の沙上駅前にあるセンスモーテルに泊まり、沙上の街でスンプンサムゲタンをいただき、A220が飛ぶKE715で機内食をいただき、更には機内でバースデーケーキを出してもらった件
2022/10/03
連れがいた今回の旅行では、DMZトレインの翌日は実に通り一遍のソウル観光をすることになった。戦争記念館で朝鮮戦争の経緯を再確認したり、
日本統治時代からある西大門刑務所を見たり、
何度目になるのか分からないNANTAを見たり、
かつては「おいしいけれどお高い」と感じていたけれど、全般的な物価の上昇で割高感が薄まった明洞の全州中央会館で石焼きビビンバを食べたり、
「初めてのソウルかよ」的に時間を過ごす。どれもそれなりに興味深かったり楽しかったりおいしかったりと、悪くはない選択肢だったとも思っているけれど。
そんなソウル滞在を終え、エアプサンBX8823便で釜山へ。気分的にはほぼ「あとは帰るだけ」だ。
そんなトランジットの釜山、翌日の成田行きが朝9:20発と早い時間だったため、今回は最後の一晩を金海国際空港に近い沙上駅近辺でで過ごすことにしてみた。
沙上駅は、釜山/金海国際空港に停まる釜山-金海軽電鉄の終点であり、地下鉄との乗換駅でもある。空港まではわずか3駅/6分と極めてアクセスが良い。そして今回は、軽電鉄のホームからも建物が見える、駅前のセンスモーテルに泊まってみた。
「韓国では怪しげな外環のモーテルに普通の旅行者も泊まる」というのは、今や日本人旅行者の多くが知っているところではあるのだけれど、うーん、それにしてもここもまぁコテコテのラブホ仕様ですなぁ…。今まで泊まった韓国のモーテルの中でもトップクラスの派手な外観だ。
廊下もいい感じで薄暗く、照明も怪しげだ。
そして室内はこんな感じ。一応ツインルーム、ということになっている。一応窓もあるし、部屋やバスルームは広いし、なんだかんだでおかしなホテルより快適ではある。しかも駅至近の徒歩2分。これでお値段は5000円程度、ダブル(1ベッド)の部屋なら3000円台からなのだから、コストパフォーマンスは極めて高い。
電車の待ち時間を考慮しなければ10分で空港まで行けてこの内容なのだから、外観に違和感を覚えがちな日本人の利用者が少なくないのも分かる。釜山空港の前夜泊には極めて秀逸な宿だ。見た目以外は。
沙上は大きくはないけれどそれなりの「街」だ。駅前にはマクドナルドなどファストフードのあるショッピングもモールもあるし、商店街だって学校だって裏通りだって住宅エリアだってある。釜山在住者お勧めのおいしそうな店だって何軒かある。そんな中、今回の夕飯はここにしてみた。
スンプンサムゲタン。
私にとって沙上は初めての街なので良い店を知っている訳もなく、もちろんこの店もネットで知った。どうしてこの店にしたのかと言うと、ここ何年も参鶏湯を食べていなかったからだ。正直参鶏湯って大好きという程ではないし、参鶏湯屋に入ってもローストチキンを頼んでしまうことの方が多い程だ。しかしこの店には焼肉はあってもローストチキンはないので、迷いは生じない。
普通の参鶏湯は12000ウォン、当時のレートだと約1200円と韓国では普通でも私には必ずしもお安くはない。これにアワビや漆(なぜだ?)が入ると、16000ウォンとか20000ウォンとかただ事ではない金額となる。ここは普通に参鶏湯、だな。
久々の参鶏湯はなかなかおいしい。この店の参鶏湯は基本の味が良いのだと思う。
韓国では参鶏湯/ローストチキン屋が「栄養なんたら」等と名乗ることがある。肉が贅沢品だった時代には「牛に比べてそんなにお高くはない動物性蛋白質、鶏肉で栄養をつけよう!」的な意味合いだったのだと思う。21世紀の今鶏肉はただの鶏肉、別に殊更「栄養がある」なんて感じはしないけれど、たまに食べる分にはおいしい料理だ。
暖かい鶏のスープでお腹をいっぱいにして宿に戻る。日が暮れてからのセンスモーテルは、昼にもましていかがわしい雰囲気に満ちている。
このハートマークさえなければかなり印象は違うのだけれどねぇ…
翌朝、宿を出て15分程で金海国際空港に到着する。沙上駅から空港までの軽鉄道(BGL)は、5分から10分おきに走っていて駅での待ち時間はそんなに長くはない。3駅/6分程度の乗車だと、冗談ではなく宿を出て15分後には空港に到着してしまうのだ。
これが西面まで、あるいは西面から行くとなると、西面↔沙上間の17分と乗り換え時間を考慮する必要が出てくる。西面から空港までがそんなに遠いとは言わないけれど、沙上から空港まではあまりにも近い。
釜山発成田行きKE715便。帰路も機材はA220。朝食でもホットミールがでてくるのが私が愛用しているLCCとは違う。このところずっと日韓線でミールなど食べていなかったので、短距離なのにホットミールのでた今回のフライトには、満足感を超えむしろ違和感すら感じてしまった。どれだけ貧乏性が身についたんだ俺、である。
今回たまたまフライトの日が連れの誕生日だったためなのだが、何も言わないで出てきたわけではない。もしかしたらと大韓航空に電話をしてみたところ「韓国発のフライトでしたらご用意できます」とのことだったのでお願いしておいたのだ。エコノミーでバースデーケーキなんて、なんだかすごく懐かしい光景でもある。
ちなみにバースデーケーキの類は、エコノミーはもちろんビジネスでも「お願いしなければでてこない」と考えておいた方が良い。航空券もネットで予約することが多い時代、フォームに「記念日のケーキ」なんて選択肢はないし、ちゃんと電話を入れてPNRにコメントしてもらう必要がある。「レガシーのビジネスだから気を利かせてくれるのでは?」などとサプライズなどを期待してはいけない。
ファーストクラスなら、あるいは上級会員なら、航空会社が気を利かせてくれるケースがあるのかもしれないけれど、どちらも私にはよく分からない世界だ。
ちなみに今回のケーキは甘い甘いバタークリームのケーキで、「昭和の味」がした。