世界、大人の社会科見学!

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2019ボスニア・ヘルツェゴビナ⑤/クロアチア① サラエボからドブロクニブまで、モスタル経由のバスで移動した件

2022/10/03

サラエボからはドブロブニクに向かうつもりだったが、ひとつだけ悩みがあった。「モスタルに立ち寄るかどうか」だ。

有名観光地であるモスタルはボスニア・ヘルツェゴビナ第5の都市で、ヘルツェゴビナ最大の都市でもあり、更にはボスニア紛争時には独立状態にあった「ヘルツェグ=ボスナ・クロアチア人共和国」の首都でもあった。市内にはボスニア・ヘルツェゴビナ初の世界遺産である再建された16世紀の橋「スタリ・モスト」もある。宿泊まではできなくとも、出来たら立ち寄ってみたい。

サラエボからモスタルまではボスニア・ヘルツェゴビナにしてはなかなか快適な列車もあり、これに乗ってモスタルに行き、数時間町を歩いてからドブロブニクに行くのも悪くはない。まずは列車の最新情報を得るために、鉄道駅に行ってみる。

サラエボからモスタルまでの列車は1日2本、7:15 に出発するものと夕方16:49に出発するものがあり、到着時刻はそれぞれ9:32と19:11。所要時間は2時間20分程度となる。朝の列車でモスタルに行き、街を眺めてからバスでドブロブニクに向かうのは楽しそうだ。

サラエボ駅の隣には、サラエボでも事実上ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦のバスターミナルと言って良い"Sarajevo Bus station"があり、連邦内やクロアチア、更には紛争時連邦を支援していたNATO圏諸国に向かうバスはここから出発する。クロアチアのドブロブニクに行くバスもここから出る。

ちなみにサラエボには空港に近いDobrinja地区にもう一つの国際バスステーションである ”Piston Sarajevo Bus Station” があり、ここはサラエボ市内でもセルプスカ共和国エリアとなっている。セルプスカ共和国やセルビア、モンテネグロなど「旧ユーゴ、セルビア勢力」側に行くバスのバスターミナルだ。

バスターミナルはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルプスカ共和国の境界から10m程の距離だけれど、ゲートや標識があるわけでもなく、歩いていてもセルプスカ共和国に入ったことなどまず気がつかない。ちなみにスルプスカ (Српска) とは「セルビア (Србија) の」という意味だ。一介の旅行者である私なんかが見れば「サラエボはまだ紛争を引きずっている」と感じてしまう。

お、話が横道にずれた。サラエボからドブロブニクに行くバスだった。こちらは7:15、14:30、夜行の22:30発の便があり、所要時間は約6時間半。夏にはもう少し便数が増えるらしい。個人的に夜行バスはこの世の地獄だと考えているので、ここは朝か午後の便しか選択肢はない。

窓口で話を聞くと、このバスはモスタルを経由するとのこと。この時ちょっと体調を崩しかかっていた私は、この言葉に揺れた。2km離れたモスタルの駅とバス停を荷物を抱えて行ったり来たりするなら、モスタルの街はバスの車窓から眺めるだけにして、この日はただの移動日でもいいかな、と考えた訳だ。モスタルの街がまともに見られるとか思えないけれど、ちらりとも見られないよりはマシだ。なにより私は疲れている。

結局駅まで来ながら魅力的なモスタル経由の列車ルートを取らず、ドブロクニブ直行バスルートを取ってしまう。バスチケットは23€、あるいは45互換マルク。「鉄道はかなりの確率で遅れる」という噂があったことも、今回のバス選択を後押しした。

せっかく列車に乗ってモスタル滞在時間が短くなるのも嫌だし、冬の方が遅延が多いと言うし、なにより今夜は個人経営のアパートを予約したので、ドブロクニブ到着を遅くしたくない。7:15発のバス便は、ドブロクニブに一番早く到着する手段だ。

翌朝、まだ夜の明けきれないサラエボの街を、トラムでスナイパー通りど真ん中だったアメリカ大使館前まで行き、更に1km程北に歩いてボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側のバスターミナルへ。


Centrotrans社のバスは良くある4列シートのものだ。地図を見ると結構山間部を走るようなので、前夜に買っておいた酔い止めも飲んでおく。



ちなみに大きな荷物を預けると、荷物代として1€かかる。この「荷物代」は旧ユーゴでは結構普通のことらしい。


バスは雪の残る山岳部を走る。遅延の少なくない列車が特に冬に遅れがち、というのも頷ける光景だ。


バスは約2時間ごとにトイレ休憩を、そして食事休憩を取る。車窓を含め、なかなか悪くはない光景だ。


3時間程でバスはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の古都、モスタルに到着する。この日は12時台と17時台にモスタルからドブロクニブに向かう便があるようで、その気になれば街を歩くことは不可能ではない。しかし前述の理由で、今回は車窓から街を眺めるだけにする。


サラエボからドブロブニクに向かうバスは、3回国境を越える。まずは ボスニア・ヘルツェゴビナから Metković の国境を抜けクロアチアへ、次にNeumの国境を越え再度ボスニア・ヘルツェゴビナへ、最後に20kmも行かずにZaton Doli の国境を越え再度クロアチアへ、だ。バスが毎回このルートを取るのかどうかは分からないけれど、少なくともこの時はそうだった。


そしてここで実感するのが、ボスニアの食料品の安さ、だ。


サラエボでボスニア・ヘルツェゴビナの通貨である互換マルク(マルカ)を使い切ってしまっていた私は、バスが最後に休憩をしたNeum と Zaton Doli の間にあるボスニア・ヘルツェゴビナ領の店で買い物ができなかったけれど、乗客の何人かがここでビールなどを買い込んでいた。この後知ることになるのだけれど、ここで買うビールはクロアチアのものよりかなり安く、ましてや大観光地であるドブロブニクよりずっと安かった。

まぁ普通、3回も国境を越えるとかどこでバスが止まるとか、そういうことは分からないしどうにもならないのだけれど。

バスは定刻の13:40にドブロブニクに到着した。ここからは市内バスで、旧市街にある今夜の宿…いや、今夜のアパートに向かう。

サラエボからドブロクニブへのバス

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