世界、大人の社会科見学!

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クロアチア 旧ユーゴスラビア

2019クロアチア⑨ ザグレブの主要な観光スポットを半日で見て回った件 その3、マルコ広場と聖マルコ教会、失恋博物館と旧防空壕であった「博物館」グリチトンネル

石の門をくぐり西に行くと、そこはもう旧自由都市グラデツだ。

旧グラデツはクロアチアの国会議事堂や首相官邸、最高裁判所など国の重要施設が連なる、ザグレブの心臓部と言っても良い。そしてこのエリアを代表する見所は、なんといってもここだろう。

8.聖マルコ教会

グラデツ、そしてアッパータウンの中心地、マルコ広場にある聖マルコ教会は、13世紀の中頃に建てられ、ゴシック様式の礼拝堂とアーチは14世紀に作られた。クロアチアでも重要な教会であり、国葬などの重要な行事はここで行われると言う。内部は「公開されることもある」とのことなのだが、基本非公開であり、私が訪れたときにもドアは閉ざされていた。

屋根の左側に見えるのはクロアチア・ダルマニア・スラボニヤ王国の紋章であり、右側に見えるのがザグレブの紋章で、19世紀末、ヘルマン・ボレーによってネオゴシック様式に回収された際に描かれた。国の重要な教会と言う割には、大聖堂に比べれば小規模で、しかも屋根もかわいらしく、観光客に人気が出るのも頷ける。

ちなみに聖マルコ教会のあるマルコ広場は、クロアチアの政治の中心地と言って良い場所で、様々な重要な政府機関が置かれている。例えば、クロアチアの独立宣言が採決された国会議事堂(クロアチア議会)、だったり、

首相官邸(Banski dvori) だったり、

他にも憲法裁判所やら、ザグレブ市政府やらが、マルコ教会を取り巻くように点在している。

しかしこれらの建物はまるで威圧的ではなく、正面玄関の前を普通に市民や観光客が歩いて行く。仮にも一国の首都政府なのに…とも思うのだが、この市民社会的な空気は、独立前のユーゴスラビアとはかなり質が異なり、それがクロアチアの選択なんだろうな、とも感じる。

ちなみに旧ユーゴスラビアの国会議事堂はこんな感じで、どちらかというとこちらの方が「議会だなぁ」と見える。ここは今はセルビアの国会議事堂だ。お国ぶり、ですな。

このエリアには博物館もいくつかある。そのうち観光客に一番知られているのが、ここだろう。

9.失恋博物館 (Museum of Broken Relationships) 、ナイーブアート美術館、歴史博物館


なんて言えばいいんだろうね、こういうの。

世の中に博物館はたくさんあるし、私だって旅行に出れば博物館の見学は最優先事項の1つだ。しかし、旅行に出たからと言って旅先の全ての博物館が魅力的かと言えば、必ずしもそうではない。特に日本国内の旅行で思うのだけれど、あまたある博物館の中には「観光地だから客が入る」的施設も少なくない気がするのだ。

博物館学者でありうどん研究家もでもあった國學院大學の加藤有次さんが、博物館を「研究型」「地域社会型」そして「観光型」の3種に分類したのが1971年。もちろん「研究型でもあり観光型でもある」こともあり得るし、観光客を主眼に置いた博物館も大切な存在だけれど、個人的な嗜好としてあまり強くは惹かれない。私的には「おしゃれな観光地だからといってなんであちこちで地元に無関係なオルゴールとか見なきゃなんないのよ」なのだ。

日本語で「失恋博物館」と訳される場合が多い "Museum of Broken Relationships" は、ザグレブのアーチストであるOlinka VišticaとDražen Grubišićの二人が、4年間の関係にピリオドを打つとき「残された思い出の私物を展示できないか」と冗談を言っていたのだけれど、それが2006年に実現してしまったのがこの博物館の始まりだった、という。

その後この博物館、あるいは展覧会はその規模を大きくし、ザグレブ市初の私有博物館として2010年には現在の場所での展示を開始し、翌年にはヨーロッパ博物館フォーラム(European Museum Forum)の 「論争の的となるトピックを扱う先駆的なアイディアと革新的な方法を評価する(pioneering ideas and innovative ways in which museums treat controversial topics)」ケネスハドソン賞(Kenneth Hudson Award)を受賞する。

なんだかよく分からん。

日本語でいうところの博物館、英語では美術館を含め ”Museum” と呼ばれるけれど、最近ではその在り方も変わってきているのかもしれない。

個人的に博物館というものは、「特定の分野において何らかの価値がある物を収集、研究、展示する施設」くらいに思っていたのだけれど、もしかしたら現代の博物館というものでは、私的な経験や記憶に関する資料を展示するのも当たり前なのかもしれない。1週間ほど前にサラエボでも戦争の中の子ども博物館も見ていた私には、そう思えてならない。そしてこの2つの博物館は、ネットでの評価も決して低くはない。むしろ高評価と言って良い。

でも、正直、こういうの見ても、あまり強くは興味が湧かないんだよね。
なんていうか、ここまで来なくとも本を一冊読めば良い、と思ってしまうのだよ。
おじさん、時代についていけなくなっちゃったのかなぁ…。

この博物館は、「その主題だけではなく、市内の他の博物館と違い毎日営業しているため、特に外国人観光客に人気となった」というもある。まぁ、ザグレブは小さな街だ。見所も多くはない。面白そうと思えば、見たい人が見ればいいんだよね。入場料は40クーナ(≒641円)かかるけど。 

私はマルコ広場ではクロアチア歴史博物館、ナイーブアート美術館も見学した。決して大きくはない博物館だけれど10クーナ/20クーナという入場料もうれしい。

10.グリチトンネル Tunel Gric

「失恋博物館」までくればアッパータウンの観光も終盤なのだけれど、南に下る前に行っておいた方が良い場所がある。グリチトンネル(Tunel Gric) だ。

第2次世界大戦中に防空壕として建設されたこのトンネルは、戦後には使われなくなったけれど、1990年代にRAVEの開場として使われたりクロアチア独立戦争の時に再度防空壕として使われるなどの経緯を経て、2016年に無料の博物館として整備・公開された。

トンネルなのでいくつかの出入り口があり、グラデツ旧市街中心部の入口は、RADICEVA ULICA 通り 19 にある。ただ通りをRADICEVA ULICA通りを歩いているだけれは、ここがトンネルの入口だとは気がつかずに素通りしてしまうかもしれない、そんな場所だ。



その名もGRICという土産物店の隣にちょっとした通路があり、その奥がトンネルの入口だ。

中はというと、地味に薄暗いトンネルで、なるほど第2次世界大戦時に作られた防空壕、だ、と思っていたら、

お?

おおっ?

バラか、バラなのか??

トンネルの総延長は約500mとのことだったのだが、そのうち結構なスペースが光のオブジェで飾られていた。そう言えばここ「無料の博物館」だった。話によると、2016年の博物館オープン以来、GRICトンネル内部は、クリスマスの時期にはこうして装飾されるらしい。博物館だけあって内部にはトイレもあり、開館時間は朝の9時から夜の9時まで、となってもいる。

オブジェのないエリアはこんな感じ。こっちの方が旧防空壕らしく魅力的に見えるのは、個人の趣味なんだろうな。

GRICトンネルは、失恋なんとかとは違い歴史の遺産であり「本物」の重みを感じることができる場所なのだが、惜しいことに歴史的な経緯などについての解説が皆無に近い。美しく飾ることも悪くはないけれど、せっかくなのだから、ソ連の後ろ盾なしでナチスとも戦った第2次世界大戦や、再び防空壕として機能してしまったクロアチア独立戦争やザグレブロケット砲撃について、何か展示があっても良いと思うのだ。

まぁ、実際にははこのトンネルは「無料の博物館」というより「丘を回避するためのグラデツ東西を結ぶ生活通路」として機能している、という面も大きく、そういうことについて詳しく知りたい人は、マルコ広場の歴史博物館や、ロケット砲撃についてのギャラリー(この後行くぞ)でどうぞ、ということなんだろう。

GRICトンネルの東端はMensnika通りとSrrelijackat通りの交差点だった。こちら側からだと、グリチトンネルが丘の下に掘られたことがよく分かる。

石の門からグリチトンネル東端のまで、総距離は約1.3km。多少不合理なルートで遠回りをした上にトンネルを突っ切ってこの距離なのだから、グラデツがいかにこぢんまりとしたエリアなのかがよく分かる。博物館の展示をどの程度じっくり見るかにもよるけれど、駆け足の観光なら、このエリアも1-2時間あれば十分だ。歩くだけなら15分で済む距離だもんな。

グリチトンネル

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