世界、大人の社会科見学!

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クロアチア 旧ユーゴスラビア

2019クロアチア⑩ ザグレブの主要な観光スポットを半日で見て回った件 その4、「世界一短い」ケーブルカーの横を歩き、ザグレブロケット砲撃の記録を見た件

2020/07/20

11 聖カタリーナ教会とカタリーナ広場

博物館「グリチトンネル」は、アッパータウンの小さな丘陵地であるグリチ公園の下に掘られた防空壕だ。丘陵地と言っても大した高さではないのだが、それでも一応アッパータウン、あるいはグラデツでは高台であり、そこにはちょっとした広場がある。聖カタリーナ教会とカタリーナ広場だ。

聖カタリーナ教会は17世紀初めにイエズス会によって建てられた。教会に強い関心があるのでなければ、ザグレブ旧市街で教会と言えば大聖堂と聖マルコ教会くらいを見ておけば良い、という発想もないではなく、実際私はもうザグレブの教会はお腹いっぱい、なのだけれど、ここは大変にロケーションが良く眺めが良い。

一応高台と言って良い広場からは、ザグレブの市街地をオレンジ色の屋根が連なる程度には眺めることができる。近くには街の見張り塔だったロトルシュチャク塔なる建物もあるのだけれど、入場料が20クーナかかる割りには眺望が殊更良くなるわけでもないらしい。ここは広場の賑わいと街の眺望を味わう場所だ。

12 「世界一短いケーブルカー」  (Zagrebačka uspinjača) ウスピニャチャ(ファニキュラー)

ここが丘陵地のピークである証拠、という訳でもないが、ここにはケーブルカーが通っている。ザグレブ語では「ウスピニャチャ」と呼ばれ、その線路の長さは66m。ここは「世界一短いケーブルカー」なのだそうだ。

 

「世界一番短い」言っているのは誰かというと、このファニキュラーを経営している ZET (Zagrebački električni tramvaj) だ。ZETはザグレブ市内のトラムやバスなど公共の交通機関を運営する公的な組織であり、このケーブルカーも公共の交通機関なのだ。従ってケーブルカーの運賃は5クーナ(≒80円)と大変にリーズナブルであり、少なくとも観光価格ではない。

ケーブルカーの運行は10分おきだけれど、25クーナ(≒400円)支払えば、10分待たずとも直ちにケーブルカーを動かしてくれるのだそうだ。

ZETのウェブサイトには、”When compared to other cable railways in the public transport, the Zagreb cable car is the shortest in the world with the length of the track of just 66 meters. ” とある。

確かアメリカにも100mに満たないケーブルカーがあったはずと調べて見ると、ロサンゼルスのエンジェルズフライトは298フィート(≒90.8m)。お、サグレブのケーブルカーはLAのものよりは短かったか。

ちなみにウスピニャチャが開通したのは1890年、エンジェルズフライトが開通したのは1910年。どちらも公共の交通機関として、坂道を苦手とするお年寄りなどの役に立ってきたのだそうだ。とりあえず山頂の駅に向かってみる。

クリスマス休暇だったこの時期、ZETの運行するトラムやバスはZONE1に限って無料だったのだが、同じくZETの運行するこのトラムも無料なのか、このあたりが今ひとつ分からない。乗り場を見ると運賃を支払っている人がいるのだ。

たった5クーナと言ってはいけない。5クーナあればSPARで売れ残りのパンがいくつか買える。よく見るとケーブルカーの横には歩道もあるようなので、ここを歩いてみる。

「世界一短いケーブルカー」は、下の駅から見上げた方がその短さを実感しやすい。

「世界一短い」ザグレブのケーブルカー、ウスピニャチャは1890年の開業当初は蒸気機関で、その後1934年に電化された。「セキュリティの事情」」から1969年から1974年まで運行を停止したが、その後は文化的遺産である側面も考慮され、保護、運行されている。そう、線路の短さだけではなく、その歴史も構造も貴重なケーブルカーなのだ。

てか、乗らなきゃだめじゃん、おれ。

2両の客車は定員28人。10分ごとの運行なので混むときには混むのだそうだが、私の見ていたときにはそんなに長い待ちの行列はなかった。

ちなみに上下の駅の標高差は約30m。たった30m、とも思えるけれど、線路の長さが66mなのでその傾斜は52%とこれも世界最大級なのだそうだ。やっぱり乗らなきゃだめだった、おれ。

 

13 The Memorial Centre of the Rocket Attacks on Zagreb 1991/1995

MEMORIJALNI CENTER RAKETIRANJA ZAGREBA  ザグレブロケット砲撃記念館

ケーブルカーか横道かでアッパータウンを降りればそこはイエラチッチ広場の西300m程の場所に出る。アッパータウンの観光は、これでおおよそ完了となるのだけれど、私にはこの近くにどうしても見ておきたい場所があった。日本語での表記がどこまで正しいのか分からないけれど、ここでは「ザグレブロケット砲撃記念館」と書いてみた。

クロアチアは1991年から1995年にかけて「クロアチア紛争」と呼ばれるユーゴスラビアからの独立紛争、そして国内でのセリビア人勢力との対立があった。そのクロアチア紛争時の1995年、ザグレブにはセルビア勢力によると言われるロケット砲による攻撃がなされ、市民7人が命を落としている。

そのサグレブロケット砲撃の記録と展示があるのが、ここ MEMORIJALNI CENTER RAKETIRANJA ZAGREBA こと、The Memorial Centre of the Rocket Attacks on Zagreb 1991/1995、多分日本語だと「ザグレブロケット砲撃記念館」だ。ここは雑居ビルの一室にあり、その気になって探さないとなかなか見つかりにくい場所でもある。

人気の少ない路地から、人気の少ない雑居ビルに入り、人気の少ない階段を登ると、そこがザグレブロケット砲撃記念館だ。果たして空いているのか心配になるけれど、呼び鈴を押すとドアが開いた。

こぢんまりとした館内は、ギャラリーと呼んだほうが相応しいかもしれない。しかし、世界でザグレブのロケット砲砲撃についての展示は、多分ここだけにしかない。今回の旅行は、旧ユーゴスラビア紛争の痕跡を辿るのも目的の1つだったため、ザグレブまでやってきてここを訪問しないという選択肢はなかった。

ロケット砲撃で犠牲となった7人のうち、画像に残った犠牲者のひとりは、まさに私が泊まっているホステルの近く、もう少し具体的に言えば、私が毎日通ったスーパーマーケット SPAR の前で命を奪われた。

私の足りない頭では、旧ユーゴスラビア紛争の中では比較的犠牲者が少なかったとの思い込みのあったクロアチア紛争だけれど、クロアチア側だけで兵士が6788から8784人、市民が4508から7186人、犠牲になった。もちろんクライナ・セルビア人共和国や旧ユーゴスラビアにも犠牲者は少なくなく、クライナ・セルビア人共和国の兵士は6788から8784人が、市民は4508から7186人が犠牲になったと言われる。

戦争はいつでもどこでも悲惨だけれど、旧ユーゴのそれは20世紀末とつい最近の出来事であったため、歴史と言ってしまうにはまだまだ生々しい。

世界一短いケーブルカー

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