2017スリランカ10 シーギリアロック、シーギリアレディとライオンの足
2017/10/02
シーギリアは1982年世界遺産に指定された。
高さ200mの要塞化された岩の上に建てられた王宮の跡は、自然遺産ではなく文化遺産に指定されている。5世紀にシンハラ王朝のカッサバ1世によって作られた。
平民の血筋であったため王の長男ではあったけれど王位継承者ではなかったカッサバ1世は、王位を得るために父を殺し王位継承権を持つ弟をインドに追放し、477年に王位に就く。
新王はそれまでの都アヌラーダプラを離れ、ここシーギリアの要塞を王宮とした。弟の復讐を恐れたのだろう。その予感どおり、シーギリアは11年後追放した弟モッガラーナによって攻め落とされ、カッサバ1世は自害する。
王宮であった岩山、シーギリアロックに登るには、外堀と内堀を渡り、夏の宮殿も置かれた「水の庭」を抜ける。
さぁ、ここから標高差200m、小1時間の登山の始まりだ。まずは石の階段を登る。
ここを登り切ると、網で覆われた螺旋階段が見える。シーギリアレディの壁画へ続く階段だ。
かつて500を数えたという壁に描かれたフレスコ画の女性は、今では20人程しか残されていない。つい最近までフラッシュを使わなければ撮影可能だったようなのだが、この時点では既に撮影禁止となっていた。なので、ここでは博物館入口のモニタ画像を紹介しよう。
このモニタには、シーギリアロックの俯瞰映像も映し出される。なるほど、要塞、だな。
シーギリアロックを見学したあとは、崖に作られた細い通路を歩く。
ミラーウォール。漆喰に石灰、更にはなぜか卵の白身や蜂蜜を混ぜて鏡状にしたといわれるこの壁は、外敵の接近を知ることがその目的だったらしい。落書きが目立つのが残念だが、中には恐ろしく古い落書きあるらしい。5世紀の落書きならじっくり見てみたいけれど、どれが古いのかはピンとこない。
鏡の壁から少し歩くと、ちょっとした広場に出る。"Lion's paw Terrace" 「ライオンの足のテラス」、宮殿の入口だ。かつてはライオン像の中を通って宮殿に向かう門だったようなのだが、今では足しか残されていない。
さすがにここまで登ると結構疲れるのか、みんなここで休憩をしている。いや、ここから見える最後の階段が長すぎて、多少臆しているのかもしれない。私は当然臆しまくった。だって、こんなんだぞ?
ちなみに、ここでは蜂が観光客を襲うことがあるようで、避難小屋がある。
蜂に刺されないように息を整えて、あと少し、王宮跡まで階段を登ろうじゃないか。