2017スリランカ15 キャンディ観光のメインイベントである仏歯寺を見学した件
2017/10/13
キャンディは「聖地キャンディ」として1983年に世界遺産に登録された。
スリランカ仏教の聖地であり最後のシンハラ人王朝があった場所でもあるキャンディには、仏陀の犬歯を納めたという仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)があり、王の権威の象徴として守られてきた。アヌラーダプラの昔から、王朝が移動するたびに仏歯も移動してきた歴史がある。仏教国スリランカにとっては極めて重要な寺院だ。
仏歯寺はキャンディ湖の北側にある。宿や刑務所からも徒歩で20分かからない。
当然のようにチケットを買うことになるのだが、これが大変にお高い。
外国人1500Rs(≒1069円)。シーギリヤロックの4350Rsには至らないけれど、それにしても高い。200ルピーもあれば1食食べられるスリランカでこれは「大変に高い」と言って良い。
ちなみに近隣の仏教国タイ、ミャンマーからの旅行者は1000Rs、ネパールやブータン、インドなど南アジア地域連合"SAARC"加盟国からの旅行者は750Rsと多少のディスカウントがある。スリランカの人は無料のようだ。まぁ、仕方がないか。納税者だもんな。
妙にこぎれいなコンクリートの建物に見えるがこれは古い寺院を包み込むように建てたもので、中に入るとちゃんと古い寺院がある。言い換えれば無料で外観を眺めることもできないのが仏歯寺、なのだな。
仏歯寺では1日3回プージャが行われる。ホテルのスタッフの話によると、仏の歯(が納められた容器)はプージャの後に見られるらしい。5:30、9:30、そして18:30にプージャは行われるが、私は一番混雑すると言われる18:30のプージャに合わせて入場した。
まずは新しい建物の入口をくぐり、
旧寺院の前でプージャを待つ。
やがて僧たちが現れ、
笛と太鼓の演奏が始まる。
太鼓も笛もなかなか音量が大きく迫力がある。かなり南アジア風味の演奏で、仏教の音楽もいろいろなのだなぁと思う。
演奏を堪能したら2階への階段を上がり、仏歯を見る列に並ぶ。
かなりの人混みだ。「仏歯寺の人混み」というのは、プージャを観るためではなく、仏歯を見るための人混みだった。この列は遅々として進まないが、1500Rsを支払ってしまった身としては、ここで引き下がる訳にはいかない。
1時間少し並んで、仏歯の見える窓の前に着く。誰もが「せっかく並んだのだから」的にすぐには動こうとしないので、ますます列の流れが遅くなる。「見える」と言っても小さな窓から仏歯の納められた箱までは何メートルかあり、「遠くに眺める」と言う方が正しいかもしれない。まぁ、王の権威を裏付け続けた大切な仏歯、手が届く距離に置くわけにはいかないのだろう。
ありがたい仏歯を拝み、外に出る。日はとうに暮れ、燭台の炎が美しい。
1500Rsという入場料は多少厳しいけれど、キャンディを「聖都キャンディ」たらしめる存在である仏歯寺はやはり素通りはできない。仏歯をゆっくり眺めたいのなら早朝のプージャ時に訪問するのも良さそうだけれど、燭台の炎は夜にしか楽しめない。これも捨てたもんじゃないぞ。