標高5000メートルを超える青海チベット鉄道(青蔵鉄道)の車窓風景をどうぞ。チベット青蔵鉄道といっても、話題に登るのはゴルムドからラサ間の新しく開通したエリアです。 |
列車の外観と車窓風景
青海チベット鉄道(青蔵鉄道) 車両の外観
(2007.1 チベット青蔵鉄道旅行記 15)
私は乗り物全般が好きだが、どちらかというと内装やサービスに関心が強い。
そのため、どうしても車両や機材の外観写真はついつい撮り忘れる。またこの列車はあまり車両から降りるチャンスが多くないので、意識しても撮影する機会が多くはない。しかし何枚かは列車の外観を撮影したものがあったので、ここでまとめて紹介することにする。
成都駅で発車を待つT22次列車。
軟臥入り口では専門の客室乗務員が乗客を迎える。この制服を着ている女性は軟臥専門の客室乗務員で、硬臥や他の列車の乗務員にくらべ、不愛想さもいい加減さも格段に少ない。
車両をつなぐ連結器。
チベット青蔵鉄道は、ゴルムド-ラサ間では与圧されるため、連結部分もしっかりと空気が漏れないように作られている。
ラサ駅に到着。やはり軟臥では乗務員が乗客を見送る。
出来たばかりの駅舎は大変にきれいだ。
こちらはラサから北京西に向かうT28次列車の出発前の光景。
朝8:18分の出発なのだが、ラサの朝は遅くまだ暗闇の中だ。
周囲が暗いため、車外からも硬座の様子がよく見える。
ちなみに青蔵鉄道で一番人気のある座席は、この硬座だ。行きも帰りもほとんど満席だった。
夜8時、西安駅に到着。
西安で降りる乗客は、どうも可能な限りひとつの車両にまとめられていたように思う。
最近の中国の列車は以前と比べカラフルになっていて、白にオレンジや青といったカラーリングも珍しくない。また新しい車両には2階建てもある。
しかし中国の鉄道局は、最新技術を詰め込んだ青海チベット鉄道(青蔵鉄道)に、この伝統的な緑のカラーリングを選んだ。一見旧型車両と違わないように見える。しかしこれは「優等列車だからこそスタンダードなカラーリングで」という意味合いもあるのかもしれない。また、電車ではなくディーゼル機関車が牽引する客車であることも理由の一つなのかもしれない。
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車窓風景1
(2007.1 チベット青蔵鉄道旅行記 16)
成都からラサまでは2泊3日の道のりになるが、初日は夕方の出発なのであっという間に日が暮れる。なので、あまり車窓風景を楽しむ、という感じにはならず、車内を探検して食事をしてから、ベッドの感触を楽しんで寝てしまうことになる。したがって本格的に車窓風景を楽しむのは2日目以降になることが多いかもしれない。
成都発の列車は蘭州、西寧、ゴルムドを通ってラサに向かう。
2006年に開通した新しい「青海チベット鉄道(青蔵鉄道) / 青蔵鉄道」は、ゴルムドから先だ。それまでは中国の農村風景などを眺めて過ごすことになる。
2日目には蘭州、西寧に着く。
蘭州は黄河で有名な街だ。黄河沿いに街が細長く連なる。
そして西寧。
平地を主に走るのはここまでだ。西寧から先は少しずつ高度を上げていく。
成都発のT22次列車は、1月は、中国最大の塩水湖である青海湖を過ぎる頃日没を迎える。
食堂車で5元のビールを飲みながら、暮れていく湖を眺めるのも悪くない。
車窓風景2、そしてラサ
(2007.1 チベット青蔵鉄道旅行記 18)
ゴルムドを過ぎるといよいよ新しく開通した青蔵鉄道、いわゆる青海チベット鉄道(青蔵鉄道)に入る。列車はゴルムドで機関車を付け替えるらしいのだが、行きも帰りも深夜・早朝の時間帯であるため私はしっかりと眠っていた。
ゴルムドから先の青海チベット鉄道(青蔵鉄道)の路線は、日本語版wikipediaによるとこうなっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E8%94%B5%E9%89%84%E9%81%93
この区間には20以上の駅と、9の観光・展望台・保守用の駅があるが、特別快速(T次列車)の場合、少なくとも私が乗ったT22次、T28次の場合にはこの間全く乗客の乗降はなかった。観光・展望台用の駅で停車することはあってもドアは開かず、車内から外を眺めるだけだ。西寧からのN次列車(省内・観光列車が多いらしい)では途中駅での乗客乗降や列車待ち合わせもあるらしい。
さて、ゴルムドから先、列車はチベット高原をひた走る。
分かりやすく地形を表示できないかと Google Earth、Google Map を見てみた。
http://bbs.keyhole.com/ubb/download.php?Number=741404
http://maps.google.com/maps?q=http://bbs.keyhole.com/ubb/download.php?Number=741404&t=k&om=1
なんだか良く分からない。
列車はゴルムド周辺で既に標高4000mを超えた地点にある。
その先はチベット高原をひた走ることになる。景色は確かに素晴らしい。
しかし決して一大スペクタクルが展開する訳でもない。
ゴルムド周辺で標高4000mから4500m。最高地点で標高5000m強。極端な標高差がある訳でもなく、大峡谷を跨ぐ訳でもない。6-7000mクラスの雪山も見えるが、標高差は1000-2000m。駿河湾から富士山を見るような迫力はない。
そう、青海チベット鉄道(青蔵鉄道)の車掌風景は、なかなか見られるものではないが、かといって驚嘆の声を上げるほどの大絶景の連続というわけでもないのだ。今まで外国人が合法的に通るには高価すぎた風景を列車の運賃で見ることができる意味は大きいが。西寧からの闇バスに乗った経験があれば、見える風景はほとんど同じだと言って良い。事実チベット街道も鉄道とおおよそ並行して走っている。
青海チベット鉄道(青蔵鉄道)に乗ると、こんな景色を一日中見ていることになる。考えようによっては、西寧以前の車掌風景より変化に乏しいとも言える。それはのんびりとしたとても贅沢な時間でもあり、ちょっと退屈で眠くなる時間でもある。
実際12時間以上もの間、車窓風景に集中して感動したり歓声をあげたりし続けることなと不可能だ。たまに昼寝などもしながら、それでも十分美しい風景を眺める。ラサまでの列車の旅はこんなものだ。
やがて久々のやや大きめな街並みが見え始める。ラサが近いのだ。
ラサ駅は市内から北に5km程離れた場所にある。
完成して1年もたっていないこともあり、まだきれいな建物だ。空気が乾燥していることや列車の本数が少ないせいもあるのだろう。
駅前には公共バスが来ている。市内の交通公司まで1元だ。昼間は1日中走っているが列車到着の時間帯にはいつもより多めのバスが乗客を待っている。
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