日本で予約する青海チベット鉄道(青蔵鉄道)個人旅行記

軟臥(1等寝台)、硬臥(2等寝台)の詳細

中国の列車にはいくつかの車両があります。

基本は硬座軟座、そして硬臥軟臥の4種類です。それぞれ、2等座席、1等座席、2等寝台、1等寝台だと考えれば間違いありません。最近ではVIP車と呼ばれる定員3人の車両や、一人用の個室も優等列車にはありますが、基本は先の4種類です。

これに、特速、普通など列車の等級、更には空調の有無、また車両空調システムの新しさで空調、新空調などとランク分けされ、それが距離に比例しての運賃となります。


チベット青蔵鉄道には軟座の設定はなく、軟臥、硬臥、そして硬座の3種類しかありません。が、硬座でも一般列車の軟座よりも快適そうでした。ここでは、チベット青蔵鉄道の寝台車の様子を紹介します。

 

 

 

軟臥/1等寝台車の詳細
(2007.1 チベット青蔵鉄道旅行記 11)



成都からラサまでのT22次列車では、私は軟臥(1等寝台)を利用した。2泊3日車内にいることになるのである程度快適な環境が欲しかったことと、成都からの切符を確実に取りたかったためだ。

軟臥は定員4人のコンパートメントになっているが、同室したのは同世代のオーストラリア人男性だけで、二人っきりの2泊3日となった。



廊下には新聞と雑誌が申し訳程度に置いてある。

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ドアを開けると左右に2段ベッドがあり、窓際にはテーブルがある。花が飾ってあるのは軟臥客へのもてなしだろうか。もちろんゴミ箱や中国列車の必需品である魔法瓶も装備されている。

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ベッドの下段は日中リビングスペースとなる。
今回は二人での利用だったため、下段はリビング・上段はベッドという使い方ができた。定員いっぱいの4人で利用する時には下段の客は気が向いた時に寝ることはできない。

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上段のベッドは日本とは違い常時開かれている。
ベッドの幅は下段より僅かに狭いかもしれないが、ほとんど違いは感じない。広くはないが身長180cmの私でも特に窮屈な感じはなかった。

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上下段とも足元には17インチの液晶テレビがあり、青蔵鉄道工事のドキュメンタリー、ハリーポッター、中国ドラマなど常時数チャンネルの番組が放映されている。コントローラーの横にイヤフォンの挿入口があるがイヤフォンそのものは用意されていないため、自前のイヤフォンがないと番組を楽しむことができない。軟臥を利用する人は、安物のイヤフォンをひとつ持って行った方が良いだろう。

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室内には、室内灯のスイッチ、車内放送の音量スイッチ、そして客室乗務員の呼び出しボタンがある。車内では昼間中国ポップスやラジオ番組を放送することもあり、これを聞かなくても済む音量スイッチの存在はありがたい。テレビの横、呼び出しスイッチの下にあるのは、上段の寝台に登る時の踏み台だ。

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列車がゴルムドに近づくと、酸素バルブ用のチューブが配られる。
酸素バルブは各寝台の枕元と廊下にある。これは硬臥(2等寝台)も同様だ。枕元のバルブの下にあるのは白色LEDの読書灯だ。明るさは十分なのだが、LEDのため光りが拡散せずちょっと使いにくい。

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テーブルの下にはコンセントがある。
硬臥や硬座の乗客は、携帯電話の充電のために廊下やトイレのコンセントを順番に使っているが、軟臥の乗客は室内で充電ができる。とりあえずデジカメ用の電池を充電しておく。

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コンパートメントのドアは鏡貼りで、閉塞感を感じないように工夫されている。
今回同室したオーストラリア人男性とは、年齢も近く音楽の趣味も似ていたため2泊3日を楽しく過ごせたが、気の合わない相手と同室したときには焼け石に水程度の慰めになりそうだ。

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もちろんどうしても息が詰まったら、廊下の椅子で過ごすという手もある。
しかし硬臥と違い、軟臥の廊下の椅子にはテーブルの設備はないため食事は室内でするしかない。

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青蔵鉄道の軟臥(1等寝台)の様子、お分かりいただけただろうか?

 

硬臥/2等寝台車の詳細
(2007.1 チベット青蔵鉄道旅行記 12)



硬臥は青蔵鉄道の中で、8両と最も車両数が多い。

今回は、この硬臥の様子を紹介したいのだが、行きの成都/ラサのT22次列車では軟臥に乗ったので写真の数が多くない。そこで、時間は前後するが、帰路ラサ/西安(北京西行き)で乗ったT28次列車の画像も、ここで併せて紹介することをご了承いただきたい。


硬臥は前述したように、3段ベッドが並ぶセミコンパートメントになっている。軟臥よりは狭いが、極端に窮屈ということはない。個室にならないこと、ベッドの高さ、昼間下段で6人で過ごさなければならないこと程度の差とも言える。

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軟臥同様窓際にはテーブルがある。この席はなんとなく下段乗客のスペースという風潮がある。テーブルの下にはもちろん魔法瓶。中国のサービスはまだまだ水準が低いが、安宿でも乗り物でも「可能な限り魔法瓶」の風潮はなかなかありがたい。

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ベッドの幅はおよそ55cm。広くはないが疲れた体を横たえるには十分だ。
写真はそれぞれ、下段・中段・上段のベッドだ。値段は上段が一番安く、中段、下段と15元程度ずつ高くなる。

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この硬臥を予約する時には、どのベッドか毎回迷うが、結局毎回上段を取ってしまう。
値段が下段より30元程度安いが、価格よりむしろ居住性の問題だ。下段は昼間リビングエリアを化すので基本的に自由に横になることはできない。もちろん「少し眠いから」と座っているゃくを追い出すこと可能なのだが、外国人にはなかなか言い出すことができない。

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しかも、下段では他の客も飲食をするのでシートが地味に汚れるし、荷物置き場もシートの下、つまり床になる。中国の床は「=何を棄てても良い場所」だ。


では中段はどうかというと、これが見事に立っている乗客と目の高さが同じになる。しかも、通路などからも丸見えだ。別に見られて困ることはないのだけれど、日本人としては多少落ち着かない。

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ということで、私は硬臥では上段を指定する。
上り下りはちょっと大変だし、高さがもっともないので頭がつかえるが、ここに登ると下界の空気と多少隔絶されるのが大変に良い。また荷物置き場は最上段にもあるので、盗難に遭う可能性も低くなる。

(下の写真はラサ/北京西間を走るT28次列車のもの)

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下段から上を見上げるとこんな感じになるが、

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上段から下界を見るとこんな感じだ。

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好きな時に人のざわめきから少しだけ距離を置いた場所で横になることが出来、気分次第で下段に降り雑談もできる上段は、私にはベストの選択だ。中段も横にはなれるが、他の乗客と目線が合いすぎる。

ちなみに上段に登るステップは、下段では格好のお茶置き場になる。

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どうしても室内が落ち着かなければ、廊下の椅子で景色を眺めるのも悪くない。
酸素バルブは廊下にもあるし、硬臥の廊下の椅子には軟臥のそれとは違いテーブルもある。

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