16年間50回500日間以上の海外旅行経験を元に、子ども・赤ちゃんと行く海外旅行のノウハウと旅行記をまとめています

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・海外旅行の超節約術 / 海外で買う航空券


方向間格差 - 同じ路線でも出発地で航空券の価格は違います

 日本と韓国を例にとって説明しましょう。東京からソウルまでのエコノミークラスのノーマルチケットで飛ぶと、運賃は片道およそ537ドル、往復で1074ドルです。ところが同じ日程、同じ航空会社であってもソウルから東京へは片道395ドル、往復790ドルです。同じ区間の航空運賃なのになぜこんなに違いがあるのでしょう? これが「方向間格差」です。

  自由化が進んだとは言え、まだ航空運賃は国策などで管理されています。その国の物価水準によってある程度調整されているのです。そのため物価水準の違う国では運賃も変わってきます。極端な例を挙げると、東京からスリランカのコロンボまでのファーストクラス運賃は片道約3200ドル、往復6400ドルですがですが、コロンボから東京までのファーストクラス運賃は片道908ドル、往復1816ドル。実に3倍以上の価格差があります。

 この方向間格差の恩恵を受けることができるのは、安い側の国に住んでいる人だけではありません。出発国で航空券を買えば、国籍にかかわらず価格差の恩恵にあずかることができるのです。この手法を一般に「海外発券」と言います。我が家では1990年、初めて子どもと海外に出た時から使っています。



正規航空運賃での海外発券

 海外発券を一番簡単に行うことができるのが韓国です。日本と韓国の間には約30%の方向間格差が存在します。それを利用してみることを考えてみますが、その前にノーマルチケットのルールをおおよそ理解しておかなければなりません。

・正規航空券は、発行から1年間以内に出発可能、 かつ使用開始から1年間有効です。

・規定の距離(MPM)を超えなければ、途中の都市に何回でも立ち寄ること (S/O、ストップオーバー) ができます。

・A-B-Cと飛んだ時、B-C区間の運賃がA-C区間の運賃を上回った場合、A−C間の運賃はB-C間の運賃まで引き上げられます。
(HIFチェックルール)

 それでは、実例を考えてみましょう。ソウル発東京行きのノーマルチケットの価格は往復790ドルです。ノーマルチケットですからどの航空会社のどの便にも自由に乗れますし、GWでも閑散期でも330日前から自由に予約を入れることができ、キャンセルも無料です。2006年のGWは5月7日に終わりますから、この日のソウルー東京便の予約を好みの航空会社に入れます。そしてソウルでは東京までの片道ではなく、往復航空券を購入します。

 日本に帰ってきたあなたの手元には東京-ソウルの片道航空券が残ります。これは使用開始日から1年以内、つまり2007年の5月6日まで使うことができます。そこで2007年のGW初日である5月3日の予約を入れます。(この時一緒に5月6日の帰国便も予約してしまいましょう。) あなたは手元に残った東京ーソウルの航空券で出かけ、またソウルで往復航空券をかって帰国します。毎年GWのどまんなかにソウルに行っても、航空運賃は790ドルです。これは正規運賃なので、あと少し予算を追加すればビジネスクラスも同様に利用できます。ちなみに、日本発の5月3日の「格安航空券」は5万円から7万円です。

 更にHIFルールを意識しながら寄り道を検討しましょう。ソウルからただ帰ってくるのではつまらないので、ソウル-福岡-大阪-東京と3フライトを利用するとします。国内線運賃の消費税分が少しだけ加算されますが、航空券の価格はほぼ変わりません。復路のチケットでソウルに戻る時は、小松(金沢)経由にしてみましょうか?やはり価格は変わりません。規定の距離(MPM)は25%まで越えても越えた分だけ追加料金を払えば発券可能です。ソウルの帰り鹿児島に寄ってから東京に戻ることもできます。

 まだ面白いことはできます。ソウルと札幌までの料金は片道460ドル、往復920ドルです。ソウルから戻り、東京で仕事をして、お盆や年始年末に札幌まで往復します。(東京でストップオーバーします) そしてまたソウルに遊びにいくのですが、これは1年以内に自由に予約を入れることができます。東京に住んでいるとすれば、GWにソウルに遊びに行き、お盆に北海道に遊びに行き、航空券代の総額が920ドルというのは、なかなか魅力的ではありませんか?

 問題は初めの一歩、つまりどうやってソウル発の航空券を買うためにソウルに行くか、なのですが、お勧めはもっとも安い時期に最も安いツアーで行くことです。そして帰路のフライトをキャンセルしてソウル発のチケットを買って帰ってくれば、「海外発券 ソウル編」の始まりです。

 同じ手法はソウルのみならずバンコクなど航空運賃の安い国ならどこでも使えます。



更に安い、海外で買う、「格安航空券」

 海外にも旅行代理店はあります。正規運賃が安いのですから、「格安航空券」は更に安くなります。一例を紹介すると、全日空のソウル発大阪経由東京行き往復(1年間有効)が46000円、ソウル発東京経由那覇行き往復(1年間有効)が76800円などです。日本と違い出発の日によって細かく価格設定がされていないので、早めに予約をすればピーク期の利用も可能です。我が家は沖縄行きの航空券を良く利用しました。

  バンコク発のチケットも魅力的です。以前、バンコク-東京-ホノルル-サンフランシスコ-シアトル-フェアバンクス(アラスカ)-ロサンゼルス-東京-バンコクなどという1年間有効で予約が簡単に入るチケットが7−8万円で買えた時代がありました。今ではさすがにそこまでのチケットはありませんが、単純にバンコク発東京往復(1年間有効)ならば、今でも3万円程度から購入できます。これを毎年買えば、3万円で毎年タイのリゾートで過ごすことができます。調べれば、他にもまだまだ魅力的な航空券があるかもしれません。

 ただ「格安航空券」の宿命として、いつこの運賃が姿を消すか、それはわかりません。事実インターネットの普及とともに多くの魅力的な運賃が姿を消していきました。

ほとんどの人が知らない、「2年オープン」

 海外発の航空券に詳しい人もあまり知らないものに、「幻の2年オープンチケット」があります。これは、大韓航空かアシアナ航空の空港カウンターや本社でノーマルチケットを買うことで、航空券の有効期間が2年まで延長できる、というシステムです。私がこのローカルルールを知ったのは、うっかり期限切れのパスポートで出発しようとしてしまい、仕方なしに帰路分を払い戻そうとした時でした。つまり上に書いたソウル発のノーマルチケットは、大韓航空やアシアナ航空で発券することで2年間有効になるのです。GWにソウルと札幌を毎年交互に旅行することも出来るわけですね。

        家族旅行では、航空券の金額も個人の3倍、4倍となります。
       一人分の運賃を安くできれば、4人分の差額はかなりのものです。


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