2006 タイ/クラビ・バンコク (Nasu 4歳)
1 「バンコク-クラビ 往復3000円 タイの新興航空会社
クラビを知ったのはかなり昔、まだ一人でバックパッカー的な旅行をしていた頃だ。確か山田均氏の著書で 「これからはクラビだ」 的な文章を読み 「ほうほう、そうなのか」 と思った記憶がある。
しかし実際に行く機会はなかった。我が家は子どもの夏休みである8月にタイに行くことが多いのだけれど、雨期の始まりであるこの時期にわざわざアンダマン海に行こうと思えなかったからだ。西からの湿った空気は、アンダマン海側に多くの雨を降らせる。
それでもプーケットには何度か行った。日本の梅雨のように1日じとじと雨が降る日は少なかったが、やはり東海岸に比べると雨の粘着ぶりが強力だった。ちなみにこの時期タイの東側で1日雨にたたられたことは、ここ20年の間ほとんどない。
そんな我が家がなぜクラビに行こうかと思ったのかというと、格安で有名なエアアジア(Air Asia)がバンコク-クラビ間に就航し、片道499バーツ(約1500円)と破格の値段を提示していたからだ。
「破格」…。なんと美しい響きを持つ言葉なのだろう。
ここ数年アジアでは低価格を売り物にした航空会社の新規参入が相次いでいる。一時期のインドネシアのように出来ては墜ちて潰れるではなく、きちんと低価格キャリアとして定着している。
タイ国内線だけでも、タイ航空資本のノック・エア(Nok Air) をはじめ、オリエント・タイ航空(Orient Thai "One-Two-GO")、PB AIR、プーケットエアライン(Phuket airlines)、エア・アジア・タイ(Air Asia Thai)など、もうわんさかと新しい会社ができ競争を行っている。
"Bangkok Airways"
"Nok Air"
"Air Asia"
比較的老舗のバンコクエアウェイズ(Bangkok Airways)などは価格競争について行けず 「ブティックエアライン」 と自称しサービス向上で生き残ろうとしているほどだ。まぁここはサムイ島に自前の空港を持っていて競争力はあるのだけど。
例えば2006年、11月12日バンコクからプーケットに出かけるとして、価格を比較してみると、
・タイ航空 (TG/Thai Airways)が片道 B2825 であるのに対し、
・バンコクエアウェイズ (PG/Bankok Airways)が B2475-2750
・オリエントタイ (OX/One-Two-GO) がB1700
・ノックエア (DD/Nok Air) が B1088-B1182
・エアアジア (FD/Air Asia) が B799-B999
・プーケットエア (9R/Phuket Air) オーバーラン事故で運航中止中
となっている。やはりタクシン資本のエアアジアは安い。
もともと安いエアアジアなのに、更に破格のクラビ片道B499などという料金を発掘できたのだから、これは乗らない訳にはいかない。実は以前からこのエアアジアには一度乗ってみたかったのだ。
日本でも一時期、スカイマークがサービスを削減する分価格を安くするという戦略をとっていたが、座席が狭く原価30円程度の飲み物のサービスを止めた割には、大した安値ではなかった。
しかしエアアジアは違う。予約がネットかカウンター決済、eチケットで搭乗券なし、かつ完全自由席、機内サービス全て有料というなんとも潔い徹底ぶりで、未だに低価格を維持しディレイこそあれまだ事故もない。こういう話を聞くとワクワクする。
というわけで、我が家はクラビに行くことになった。決してエアアジア体験のおまけではない、つもりだ…。