16年間50回500日間以上の海外旅行経験を元に、子ども・赤ちゃんと行く海外旅行のノウハウと旅行記をまとめています

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・2006 中国雲南省 17日間

 この記録は、書き方も文体も今までと全く違います。
 私的に旅行日記として少しずつ書いたものをまとめたためです。
 おかしな書き方も目立ちますが、ご容赦ください。


 この旅行記はページ数が多いのでメニューをつけました。

 1「中国へ行っています」、2「とりあえず命を失わずに帰国しました」
  3「中国国際航空 B757」、4「麗江 雲南の小京都」
  5「安宿と洗濯」、6「自助火鍋食べ放題一人10元」
  7「玉泉公園」、8「玉龍雪山 - あるいは悪徳タクシー対処法 - 」
  9「ドクター・ホー/玉龍雪山本草診療所」、10「大理で菊屋に依存する」
  11 「大理でだれる」、12 「温泉でだれる」
  13 「下関・喜州・周城」、14 「大理発昆明行き、寝台列車」
  15 「石林でがっかり」、16 「龍門石窟で怯える」
  17 「こどもの遊び場」、18 「全聚コで北京ダック」
  19 「最後に、雲南で食べた物いろいろ」






1 「中国へ行っています」

 土曜日から2〜3週間、中国で過ごす。

  誰に頼まれた訳でもない。自分たちの意志でだ。
家族5人で15万マイルの消費。せっかくのマイル消費にエコノミーはもったいないのでビジネスにしたけれど、中国国際航空のビジネスは国内線スーパーシートと良い勝負らしく、期待感がまるで湧かない。成田のラウンジはJALだろうけれど、それはつまりだめだめということ。朝9時にデニッシュさえなくなり、混雑でゆったり座ることもできないあの部屋をラウンジと呼んで良いのかねぇ。。

  それはともかく、中国は昔は個人旅行のしにくい国だった。日本人は漢字が読めるためにかなり有利なのだけれど、それでも十分旅行がしにくかった。日本人には漢民族の文化はどうにも馴染めないのだ。それに加え未解放都市に入るための手続きや宿泊制限など、20年前には安宿で中国の悪口を言い始めると一晩では足りないのは当たり前。三日目でも新鮮な話題は尽きなかったものなのだよ、うん。

  今でこそずいぶん楽になったけれど、中国4000年の民族性はちょっとやそっとで変わるわけがない。幼児を連れてどんな嫌な目に遭うのか、今から恐ろしいぞ。なんで行くんだ、自分?

  でも今回行く雲南省は、比較的人も穏やかで気候も多少は温暖な所。特に大理という街はその居心地の良さで旅行者の間では「沈没地」と呼ばれる長期滞在者の多い街だ。漢民族より少数民族の人や文化の力が強いようで、あまり悪い話は聞かない。内陸部の大都市のような不愉快な思いは少なくて済むと思うのだけれど甘いかな?

  新年を迎える予定の麗江は、地震でかなり被害を受けたけれどそれでも美しい旧市街のある街。現地では失恋した女性が心を癒しに行く定番でもあるらしい。唐突な出会いのためにも独身を装う準備だけは怠るわけにはいかないな。
標語

 

 

 

 

2 「とりあえず命を失わずに帰国しました」


  18日間、ゲートウェイの昆明以外は麗江、大理の二つの街だけに行くという、あまり無理のないペースの旅行だったのだけれど、4歳児以外全員お腹をやられてそれぞれ1日ずつダウン。インドに行ってもびくともしないこどもたちだったのに、やっぱり中国は手強かった。。

  こどもたちも中国は初めてではない。
というか、この春にも大連に何日か行ってたんだよね。
だから特に身構える様子もなかったのだけれど、今回は今までの中国旅行とは地味に事情が違う。なにしろ車を買ってしまったおかげで、金がないのだ。チケットはマイルのタダ券。宿や食事代だってできるだけ節約したい。目標は18日間家族5人で衣食住観光土産全てを10万円以内で済ませること。

いや、そりゃ大人一人や二人なら楽勝なんだけれど、うちには幼児もいるし、無理もできないしさ…
結構シビアな目標なんだよ、これでも。


  というわけで、行きの機内で今回の旅行について子どもたちに能書きを垂れた。

  ・父は今、金がない。
  ・かなり金がない。
  ・だから節約を持って旨としたい。
  ・それほど金がない。
  ・ある程度の金を使わないと、中国ではかなりと言って良いほど嫌な思いをする。
  ・それなのに金がない。
  ・目の前の中国人に殴りかかる前に、一言父に相談して欲しい。
  ・金で済ませることができたらなぁ。
  ・理性的な抗議や合理的で理に適った要求も、通ると思ってはいけない。
  ・そういう時には諦めるしか手がない。全ての努力は無駄だ。
  ・そして少し俯いてつぶやくしかないのだ。「中国だから仕方ない」と。


  よその国に行くのだから、その国の文化や作法を受け入れるのは常識だ。わがままな自分だってイスラム圏で酒よこせと騒いだり、チベットで鳥葬の写真を撮ったりはしない。印僑が定価の100倍の値段をふっかけても「はいはい」とそこから交渉を開始する用意もあるし、ブッシュが気に入らなくてもホワイトハウスに飛行機で突っ込んだりはしない。 通りすがりの人間なのだから分を弁えるのは当然だ。

  でも、中国は少し違う。うまく言えないが、微妙に違う。
なんというか、こう、人の感情をピンポイントで的確に逆撫でする場面がやたらと多い。特に漢民族や公務員にその傾向は強い。なんでなんだろね。

  こちとら別に釣り銭投げて寄越した位じゃ怒りはしないし、こっちのへたくそな中国語に返ってきた不快な怒鳴り声が「不要謝-プーヤオシェ-(礼はいらんぞ)」「漫走 -マンツォ-(気をつけてな)」であること位は理解している。ついでに言うと、話してみると結構親切な人民は漢民族の中にすら少なくないことも知っている。漢民族はは誤解されやすいのだ。
しかしだからといって、「うん、文化も違うからね」と笑ってスルーできるほど中国は甘くない。

  中華思想と中国共産党の洗脳刷り込み教育と「巧言令色少なし仁」の道徳となどという、絶対相容れるわけがない思想を一つの脳味噌に詰め込まれ、かつ、法治ではなく人治で明日には正しいことが変わる不安定な社会を ろくに金もなく生きなければならない人民の心など、我々の想像を遙かに超えている。話し合えば分かるなどと甘いことを言っていてもどうにもならない。あきらめるしかないのだ。
だいたい地方じゃ空港やホテルですらろくに英語も通じないし、自分も中国語発音難しくて全然出来ないし、ろくに話あえないけれどさ、。。

  「中国だからしかたない」

  子どもたちも今回の旅行を通してこの言葉の意味を肌で感じ取ったようだ。上の二人はもちろん、下の幼児まで結構的確な場面で「ちゅーごくだからしかたないもん」などと言っていた。

やはり旅行は人を成長させるのだな。
父はうれしいよ。

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