16年間50回500日間以上の海外旅行経験を元に、子ども・赤ちゃんと行く海外旅行のノウハウと旅行記をまとめています

タイトルロゴ赤ちゃん・子どもと海外旅行

・1990 香港8日間 初めての赤ちゃんとの旅行

 1990年、私たち夫婦に初めての子どもが授かりました。長女Tinaです。
生まれたばかりの赤ちゃんは見るからに弱々しく、しばらくは海外旅行はもちろん、国内の旅行もできないなと思わざるを得ませんでした。事実、産院から自宅へ車で帰る時にも、赤ちゃんを抱いた妻を乗せて、時速20キロほどの徐行運転で帰ったものです。

 しかしありがたいことに赤ちゃんはすくすくと成長し、3ヶ月を過ぎた頃には「元気な子ども」だと感じるようになってきました。Tinaはどんどん大きくなり動きも活発になってきます。首もしっかりとすわりました。「もしかしたらちょっとした海外旅行になら行けるんじゃないかな?」 そんなことを考えたのはこの頃です。妻に相談すると、「その気になれば不可能ではない」とのこと。しばらく海外旅行を控えていた私たちは、「お出かけ」の誘惑に負けました。

 しかし、行き先には自ずと限界があります。治安の良さ、衛生状態、いざというときの医療体制などを考えつつまだ空席のある海外ツアーを検索したところ、2週間後の香港ツアーに空席がありました。利用航空会社は日本航空で値段も手頃。期間は4日間。これならなんとかなるのではと、私はツアーの申し込みをしてしまったのです。生後5ヶ月の赤ちゃんがいることを伝えて。

機内赤ちゃん用バシネット  

いろいろ下調べはしましたが、初めての赤ちゃん連れ海外旅行です。「バシネット」と言われても実物を見たことがないのでピンと来ません。とにかくできるだけ不安な要素は取り除こうと、朝の出発に備え、前日は空港敷地内にある、エアポートレストハウスに泊まりました。

  翌日飛行機に乗ると、客室乗務員の方が挨拶に来てくれました。「なにかあったらいつでもどうぞ」と心強い言葉。紙おむつとおもちゃのセットをいただき、あかちゃんをしっかりだっこして離陸に備えます。バシネットを使えるのは離着陸時やシートベルトサインがついている時以外、とのことでした。

  幸運なことに、特に泣いたり騒いだりすることなく、眠っているか上機嫌かのまま、Tinaは4時間のフライトを終えることができました。途中、ミルクを飲ませる時には客室乗務員の方がギャレーで作ってくれました。まだお子さんのいる年齢には見えませんでしたが、そういう訓練も受けているんだな、と感じたものです。
 
 海外ツアーなので空港では現地係員の方が、ホテルまで送迎してくれます。荷物も積み込んでもらい、すんなりとホテルに入ることができました。あまりにスムーズに運びすぎて、かえって「これでいいのだろうか?」と思ったほどです。

  ホテルは北角にあるシティーガーデンホテル。新しくオープンしたばかりだということもあり、スタッフも親切で部屋も清潔でした。部屋には既にベビーベッドが用意されていました。 私たちはケーブルカーに乗って夜景を眺めたり、街をふらついたり、飲茶やおいしい中華料理をたべたりと、香港の観光を堪能しました。

  そんなことをしていると3泊4日なんてあっという間です。正味自由な時間は2日しかないのですから。「こんなに問題がなく楽しいなら、もう少し香港にいたい」。そう考えた私はツアーの帰路便を放棄し、4日後の東京行きの航空券を香港の代理店で買いました。カナディアン航空のビジネスクラスが一人片道3万円ほど。その頃は香港でもかなり安く航空券が買えたのです。 と同時に安いホテル(Fuji Hotel/廃業)に移動したのですが、これが失敗。ツインというはずが狭いダブルでまるで難民アパートです。赤ちゃんがいなければ問題はないのですが…。ここは1泊で退散して、YMCAに引っ越しました。

  ペニンシュラホテルの隣にあるYMCAは、価格もそんなに高くはなく、部屋も広く清潔でした。ベビーベッドはありませんがベビーコットはあるとのこと。違いがよく分かりませんでしたが、はちょっと作りは簡素ですが実際に似たようなものでした。ロケーションも良く、このホテルをベースに残りの香港での街遊びをもう少し堪能しました。

 レストランでの食事は赤ちゃん連れ旅行での心配事の一つだったのですが、香港では全く問題を感じませんでした。広東語は腹式呼吸で発音することが多く、周りの声が大きいので、赤ちゃんが少しくらい声を出しても全く目立たない、というより周りの方がうるさいのです。(笑) その意味でも香港という選択は正解だったのだと思いました。

  帰路は少しリッチに(といっても安チケットですが)ビジネスクラスで帰国しました。しかし、ラウンジでくつろいでいる時、Tinaのおむつから横漏れが…。妻は白いワンピースを着ていたので、しっかりとしみが残ります。最後の最後に、ちょっとだけ「赤ちゃん連れならではのトラブル」は起きたのでした。

香港での赤ちゃん1
香港で赤ちゃんの授乳
香港で赤ちゃんの授乳2
香港フジホテルと赤ちゃん
香港YMACベッドでの赤ちゃん


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