16年間50回500日間以上の海外旅行経験を元に、子ども・赤ちゃんと行く海外旅行のノウハウと旅行記をまとめています

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・2006 中国雲南省 17日間

 この記録は、書き方も文体も今までと全く違います。
 私的に旅行日記として少しずつ書いたものをまとめたためです。
 おかしな書き方も目立ちますが、ご容赦ください。


 この旅行記はページ数が多いのでメニューをつけました。

 1「中国へ行っています」、2「とりあえず命を失わずに帰国しました」
  3「中国国際航空 B757」、4「麗江 雲南の小京都」
  5「安宿と洗濯」、6「自助火鍋食べ放題一人10元」
  7「玉泉公園」、8「玉龍雪山 - あるいは悪徳タクシー対処法 - 」
  9「ドクター・ホー/玉龍雪山本草診療所」、10「大理で菊屋に依存する」
  11 「大理でだれる」、12 「温泉でだれる」
  13 「下関・喜州・周城」、14 「大理発昆明行き、寝台列車」
  15 「石林でがっかり」、16 「龍門石窟で怯える」
  17 「こどもの遊び場」、18 「全聚コで北京ダック」
  19 「最後に、雲南で食べた物いろいろ」




 



11 「大理でだれる」

 大理を知らない人は多い。 
麗江と違い世界遺産に指定されているわけでもなく、高倉健の映画の舞台にもなっていない、地味な街だ。しかし街の空気に限って言えば麗江の旧市街より格段に良い。厚化粧的な「美しさ」や「雲南の小京都」的胡散臭さがあまりなく、柳が連なる街路も生活感が漂う。居心地の良い街だ。

  「風光明媚な雲南省西北部の高原古都。8世紀に南詔国が誕生し、10〜13世紀には大理王国の都として栄えた。いまも蒼山を背に端然とそびえる古い仏塔や城壁に面影が残る。ペー(白)族が多く住み、白族の風情を存分に感じられる。旧暦3月には伝統的な「三月街」、「石宝山歌会」の祭典がある。雲南の要衝の地で、付近は大理石を産する。」
http://www.jcbus.co.jp/chinahotel/dali/info/

公式にはこう紹介されるところだが、実際はちょっと違う。
むしろこちらの方がより正確な説明かもしれない。

「城壁に囲まれた古城「大理」は雲南でも麗江と並んで最も人気の観光地で、特にバックパッカー(個人長期旅行者)に大好評で思わず長居してしまう、いわゆる「沈没地」です。東に湖、南に山脈があり、ボートをこいだり、ハイキングやサイクリングを楽しむことができます。特に町に見所があるわけではないですが、白づくめの家をぬって通りを歩いていたり、城壁に上ってぼーっとしたり、カフェでのんびりしているだけで、いつの間にか時間を消費してしましまう、中国の中では異質の観光地です。」
http://www.yunnan.jp/dali.htm

  そう、我々はここにダレに来た。なにしろもうすぐお正月。異国にいてもだれることは忘れたくない。殊更だれることに関しては、我が家は全員傑出した才能を持つ。本領発揮だ。そしてその大きな力となるのが、菊屋だ。

  菊屋では和食を食べることができる。寿司、天ぷら、松花堂といったフォーマル系ではなく、カツ丼、焼きうどん、生姜焼き定食といった大衆食堂系の和食だ。目玉焼き丼などという泣かせるメニューもある。親子丼10元、焼きそば7元、カツカレー15元、生姜焼き定食15元。街の中華料理よりは幾分高いが、和食としては格安と言って良い。

  基本的に本場の中華料理と相性が良くない我々は麗江では火鍋を食べ続けたが、ここでは大衆食堂系和食を食べ続けることになる。一家で大食いしてビールを飲んで50元から100元。750円から1500円といったところ。エンゲル係数が高い我が家としては大変ありがたい。こういうところで航空運賃を取り返せば、旅行に出た甲斐もあると言うものだ。

  ある日の夕方、下の娘が言った。
「おなかすいた。今日は何屋行く?」
何屋もなにも、この街に「屋」がつく場所は菊屋しかない。娘は宿から菊屋までの道を、先頭を切って歩き出す。なんとなく頼もしい。今日は生姜焼き定食にほうれん草の炒め物をつけて、冷たい大理ビールでも飲むとするか…菊屋の食事






 

12 「温泉でだれる」

 大理でナマケモノ一家と化した。

  どうやら近くにはロープウェイやら崇聖寺三塔なる有名な塔やらそこそこ観光ポイントはあるらしいのだが、全員あまり興味を示さない。行けば行ったでおもしろいのだろうが、例によって入場料が非常識に高く「何もそうまでしてなぁ」という気分なのだ。直接出費をしない子どもたちにもその気持ちが伝わるのか、どこかに行こうと言い出さない。宿の周囲を散歩したり、お茶を飲んだりと一家で隠居の様だ。

  このままでは人としてあまりにだらしないのではないだろうかと、父は観光計画を練る。もちろんブレーンは菊屋のおかみさんだ。彼女はここ数日の付き合いで、我々が大金の出費を好まないこと、観光地にあまり興味を示さないこと、だらしくなく非活動的であることなどを既に理解している。

「温泉でも行く?」女将さんは助言をしてくれた。
「下関ですか?」
「ううん、もっと山の方。新山口温泉というところがあって、お風呂いろいろあるよ。あと、明日なら"シ耳 源"(さんずいに耳)で市場も立つし」

  値段を聞くと、5人なら車を一台チャーターして120元(だったかな?)で良いという。相場より少し安い。どうやら我が家は菊屋に於いて貧乏認定をされたようだ。菊屋さんのお子さんとうちのちびが幼児非言語交流をしたせいもあるのかもしれない。昆明を出てから体をお湯に浸けていない我々は提案に飛びつく。麗江からかなり標高は下がったが、それでも大理は寒かった。

           - - -

  "シ耳源"に向かう道には沢山のミニバスが走っている。どうやら下関から頻繁に走っているようだ。今日は市場が立つので特にバスも多いのだろう。小さな村の細い道は多分10日に一度の渋滞が発生している。我々は村の入り口から歩く。

  特に変わった光景ではない。ここもよくある市場だ。
山から下りてきた人たちがそこで採れたものを売り、手にした現金で生活用品などを買う。プロは大きめな店を広げ、靴やら服やら様々なものを売る。下手な小さな店より品揃えは良いかもしれない。食料売り場も充実していて、あちこちで豚や鶏などが生きたまま、あるいは死にたてで売られている。半死半生のもいるな。まぁ長くはあるまい。

  うーん、これだけ家禽と人間の距離が近ければ、そりゃ新しいウィルスもできるわなぁ… ぜったいこのエリアには鳥インフルエンザのウィルスがあるはずだと、子どもをあまり鶏・アヒルコーナーに近づけないように留意しつつ市場の中をまわる。

  下の娘がビー玉を見つけて目を輝かせているので、店の親父に5角を差し出したら10数個が袋に入れられた。はい、なつちゃん、中国土産購入終了。市場は賑やかだし楽しいことは楽しいが、疲れることも確かだ。

  少しお腹が空いたが、中で食べるには立ち食いしかない。近くには鶏も最後の延命嘆願で騒いでいるし、立ったまま洗面器型どんぶりからご飯をかき込むほど我々も人民化していない。しかたないので、市場から少し離れたところでパン状のものを買って食べる。上の娘のリクエストだったが、これが結構うまい。1枚5角(1/2元)。人だかりのなかった銀行の入り口で食べたが、ガードマンは見て見ぬふり。中国だもん、しかたないよね。

           - - -

  さて温泉だ。
"シ耳 源"から車でそれほど遠くないところに新山口温泉はあった。鄙びたというよりは、崩壊寸前に見える温泉宿が何軒か並んでいて、我々はその中でも比較的マシであろう最も規模の大きな施設に向かう。そこにはいくつかのプールやマッサージ施設、食堂やカラオケ(要らん!)など、結構立派な建物がいくつかあった。ただ人はいない。我々以外客がいない。平日のせいもあるだろうけれど、どうしてもうらぶれ感が漂う。

  試しにプールに手を入れてみる。結構暖かい。これならこのの寒さでもさほど苦ではなさそうだ。奥には別のプールもあり、こちらは炭酸泉とある。本物の炭酸泉は、日本には確か大分あたりにしかなかったはず。これも悪くはない。更に奥にはいくつかの囲われた貸し切りプールもある。家族連れには便利だ。でも、やっぱり日本人としては温泉には裸で入りたい。水着で入ってもくつろげないんだよ、わしら!

  と言う訳で、我々は駐車場の横にあった一番みすぼらしい建物の個室風呂を男女一部屋ずつ借りる。90分30元。うーん、高いのか安いのか分からんぞ。(苦笑) いや、そりゃ安くはないけれどね。

  うらぶれた室内には、怪しいベッドが一台置いてあって服や荷物を濡らさずに着替えができる。湯船は思っていたよりは深く大きい。日本の山奥の湯治場だと思えば、そんな気がしないでもない。何より我々はここのところずっとお湯に浸かっていなかったため、想像以上に気持ちが良い。能書きを読んでみると、源泉は90度台、お湯は入った者が自分で溜めて、上がる時流すという100%源泉かけ流しだ。

  結構悪くないぞ、これ。
新山口温泉

 

 

 

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