・2006 中国雲南省 17日間
この記録は、書き方も文体も今までと全く違います。
私的に旅行日記として少しずつ書いたものをまとめたためです。
おかしな書き方も目立ちますが、ご容赦ください。
5 「安宿と洗濯」
不安と猜疑心は消えないが、初めての街だし少なくとも4〜5日は滞在したい。それに家族旅行者には洗濯という大事業もある。5人x数日分の洗濯はかなりの大仕事だ。これを何とかしないと移動もままならない。
昔どこかの旅行ライターが「長い旅には洗濯の休日が必要」と何かに書いていた。もっともだ。しかし彼は旅行者が不潔であることをも得意げに書いていた。曰くパンツを何日も替えない。曰く神経質では旅行は出来ない、みたいなこと。etc
おい、ちょっと待てや。金を使わないバックパッカーにも下着くらい毎日きちんと洗濯する奴はいっぱいいるぞ?というか、パンツを1週間も替えないのはお前個人の問題であって、旅行者全般の問題ではないんじゃないか?
少し昔の旅行記には貧乏自慢、長期自慢、危険自慢などくだらないことがいろいろ書かれていたけれど、この不潔自慢もその類だ。困ったものだ。
麗江では古城エリアにこだわって宿を取った。古城国際青年旅館。中国スタイルの中庭を囲む伝統的な建物と、やや新しい3階建ての建物からなる宿。4人部屋に空きがなく「伝統的」な方の2人部屋を2部屋取る。1部屋80元。
「伝統的」ということはもちろん「古い」ということ。一応トイレや24時間お湯の出るシャワーも室内にあるけれど、暖房がない部屋にはすきま風が容赦なく入り込む。日中は居心地良いのだけれどねぇ。救いはベッドに電気毛布があったこと。電気毛布がこんなに暖かいとは知らなかった。
この宿には1回10元で使える洗濯機もあり、ここぞとばかりに2回洗濯機を回す。洗った洗濯物は中庭に面した部屋の前に干す。どんなに伝統的な建物でも、家族5人の洗濯物が飾られた日には生活感いっぱいのただのボロ家になってしまうけれど、中国だからしかたない、って、どこでも同じか…
6 「自助火鍋食べ放題一人10元」
「旧市街には良い店はない」と宿の青年に聞いた我々は、空腹を抱えて新市街に向かった。
麗江は小さな街なので、旧市街から新市街まで歩くのは全く苦ではない。宿から旧市街入り口の水車まで徒歩5分、そこはもう新市街の目抜き通りだ。人の流れを眺めつつ我々5人は安くてうまそうな飯屋を探す。こういうときの我々のカンは凄いぞ。あっという間に麗江No1(2005tg家認定)の店を発見した。
「自助火鍋 毎位10元」
食べ放題10元の鍋の店だ。入り口には肉や野菜、茸や餅、なんだか正体の分からないものが入った籠が並び、客は自由にそこから食べたい物を運び鍋に入れるシステムになっている。
スープには赤いものと白いものがあり、赤はやたら辛い。(経験済み)二つ同時に頼むこともできるのだが、穏やかなチキンベースの白を頼み胃袋も張り裂けよと食べる。
う ま い。 と て も う ま い !
周りを見回すと金のありそうな客はいない。10代とおぼしきおねーちゃんグループやら、街に買い物に来たらしいナシ族のおじさんグループやら。みんな楽しそうに食べている。ジャガイモや饅頭をを囓っていれば1元、麺を食べれていれば3元で済むのだから、彼らにとってこの店で食べることは「ちょっとした贅沢」といったところなのだろう。みんなじっくり腰を据えておしゃべりをしながら食べ続けている。楽しそうでいいね。値段も客層も我が家にふさわしく、大変に居心地が良い。
1本5元のビールを飲みつつ、人民に負けずだらだらと食べる。鍋から沸き上がる湯気の熱気が顔に心地よい。食材置き場を良く探すと湯葉や豆腐・こんにゃくなど日本風の食材もある。餅もある。これがまたうまい。さすが雲南。こうなると日本民族雲南起源節も捨てがたいな。
その後いろいろな店を見て回ったのだが、結局麗江での夕食は *全て* この店でとってしまう。全く持って向上心のない話だが、中国だから仕方ないのだ。