125ccバイク、原付二種のメリットとデメリット
125ccバイクにはどんなメリットやデメリットがあるのだろうか。私は合宿卒業後こんな事を書いた
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無事教習所も卒業できた。
免許の書き換えには明日出かけるとして、私の頭の中は「どんなバイクを買おうかな」でいっぱいになっている。この迷っている時期というのがなかなか楽しい。自動二・合宿仲間はほとんど全員が「400ccに乗る」と言っていた。中には「まだ買わないで免許を取ったらすぐに大型教習を始めて、それからリッターバイクを買う」という人もいた。基本的に大型車が人気のようだ。
私だって大きなバイクに乗りたい。
教習はCB400だったし、急ブレーキで後・をロックさせる体験の時久々に50ccに乗ったら、もの凄く怖かったからだ。「自分はこんなに頼りないバイクに乗っていたのか」と心底思った。といって「欲しいから買う」では動物と一緒だ。動物は金は使わないが。
我が家には3人の子どもがいて、いつも「ひもじいよぉ、ひもじいよぅ」と言っている。しかも上の2人は来年それぞれ大学受験、高校受験だ。我が家の経済状況は常時厳しいが、特に来年の厳しさは今までを上回る。買いたい物が買える状況ではない。
維持費や諸費用について考える。
まず、250ccを越える排気量のものは車検がある。バイク屋で聞いたら状・にもよるが8〜10万程度はかかるそうだ。我が家には既に2台の車があり、その車検だけでひぃひぃ言っている状・なので、これは厳しい。
じゃぁ250ccで良いではないかと思うが、この場合新しく任意保険に加入する必要がある。若い人たちには自賠責保険だけで乗っている人も少なくないらしいが、この年になるとそういう冒険はできない。では任意保険にどの程度かかるのかと、このページ(全労済)で自動計算をしてみる。
https://www.zenrosai.or.jp/kyousai/mycar/kakekinJidousya01.php
年齢制限なし、自分や・乗者への保険なしでも年間62,480円だ。自分や・乗者への保険をつけたらなんと年額360,200円になってしまった。冗談のような数字だ。
次に年齢制限を30歳/35歳と区分の一番高いものを選んでみる。すると相手方への保証だけなら25,960円、自分と・乗者の保険をつけると185,700円となる。相手方だけなら半額以下だ。
それにしても、バイクの自分や・乗者に対する保険の高さは異常と言っても良い。それだけ事故が多いということなのだろうけれど。正直支払える金額ではない。自分の事故について任意保険でカバーすることはあきらめる。
ところが、だ。バイクが125cc以下の場合、自家用車についている保険に「ファミリーバイク特約」というものをつけるだけで保険料が笑ってしまうほど安くなる。相手方に対する保険を上と同じ条件で検索したら、なんと年額7,390円という数字が出た。3000万の自己人身傷害と500万の・乗者傷害特約をつけても30,340円。"破格に安い" と言って良い。
400ccは正直諦めた。車検の出費は大きい。
あとは250cc以下にするか、125cc以下にするかだ。任意保険の金額にこれほどの差があるとは思っていなかったので、今かなり迷っている。
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そう、車検はともかく、任意保険が125ccバイクでは破格に安い。ただし、乗用車の任意保険を契約している場合に限るが。
そして125ccをメインに国産車新車、中古車の価格を調べた。
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購入するバイクをいろいろ考えては迷っている。
新車か中古か、どのメーカーか、どんなタイプか。etc… こういう買い物では、迷ってる時が一番楽しいという側面もあり、決して嫌ではない。いや、正直楽しい。しかし選択肢が多すぎる。泣きたいくらい多い。おまけに私のバイクに関する知識は四半世紀前の YAMAHA RD-50で停止している。知識がなくて選択肢が多いということは「泥沼にはまった」と同義だ。まず新車の検索。
最近はこの種のサービスでもYahooが強い。以下のURLで現行車種の全てが分かる。
126-250cc
http://autos.yahoo.co.jp/ncar/bcatalog/bin/bike?opt2=2&select=on
51-125cc
http://autos.yahoo.co.jp/ncar/bcatalog/bin/bike?opt2=1&select=on
山ほどあるカタログを次から次へと見る。タイプも多少考慮する必要がある。この年で125-250クラスの「コンペディション」なるモデルに乗るのはちょっと恥ずかしい。個人的趣味だけど。
カタログを見る時はまず価格に目が行くのだが、どれも結構高い。
126-250ccクラスだと最安で345,450円 (SUZUKIバンバン200)、一番高いものでは 703,500円 (ホンダ フォルツァZ ABS)だ。結構高いなぁ… 平均して40万円前後ということになる。では51-125ccクラスはと言うと、最安が168,000円(ホンダ CRF70F)、最高で577,500円 (スズキ RM125)。30万円を中心に価格が散らばっている。70cc程度の小型バイクやスクーターを含めてだ。うーん、やっぱり結構高い。
自動二輪免許取得のきっかけとなったカブも、90ccの新車で195,300円する。ちょっと驚いた。カブなんて10万程度で買えると思いこんでいたのだ。21世紀に四半世紀前の知識のまま情報収集をしないでいると、こういうことになる。しかし、カブでも20万なのか…。中古の軽自動車の方が安いなぁ。
もっと安いものがないかと中古を調べる。
中古バイク店のWebサイトを見ても良いのだが、こういうものはやっぱりオークションの個人売買が一番安上がりだ。最大手のYahooオークションを調べる。
しかしこれが使いにくい。
まず、希望するバイクのメーカーを選んで、それから排気量を選ばないと、対象が絞り込めないのだ。
どうして、上の"Yahoo自動車"のようにしてくれないんだろう?
希望車種やメーカー、排気量がはっきり決まっている場合には便利かもしれないが、「51-400ccで何か良さそうな中古はないかな」的に使うには不便だ。
しかし、125ccでも新車30万かぁ。30-40万は覚悟しておけ、ということか?
正直、今30-40万の出費はかなり痛い。将来 (近いか?) 大型自動二輪免許を取得した時には、もう間違いなく750-1000のバイクを買う。そのための免許だから当然だ。中型免許を取ってもバイクを買わず、大型合格まで我慢していた卒業検定仲間の気持ちが痛いほどよく分かる。今私が欲しいのは、とりあえず街乗りに便利で、ちょっとした遠出でもあまり辛くない程度の125-250ccクラスだ。中古車を検索しながらも、情報収集を続けようと思う。
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そしてとうとう逆輸入車に目をつけ始める。
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250ccのバイクはバリエーションが豊富だ。排気量の割には速そうなコンペティションモデルからビジネスバイク、スクーターまで様々なタイプがあり、メーカーも主要な市場として対応している。
しかしこれが125ccとなると急にバリエーションが少なくなる。125(124)ccに限ると、日本で発表されている現行車種はなんと12種類だけだ。しかもそのうちの6種はスクーターであり、ギア付きは6種類しかないということになる。
http://autos.yahoo.co.jp/ncar/bcatalog/bin/bike?opt2=1&select=on
任意保険料を考えると、ファミリーバイク特約が使える原付2種(51-125cc)の魅力は大きい。その中で最大の排気量であり乗りやすそうな125ccが僅か6種類。「みなさん、これが先進国と呼ばれる日本の実体なのです」。田中真紀子のダミ声が…、あ、これはもう書いたな。
どうして125cc市場が不作なのか考える。
400ccと250ccクラスの違いは明確だ。車検の有無であり、この制度には強制力がある。例え珍走団や予備軍でも車検を通していないバイクに日常的に乗るようなリスクは避けるのだろう。
しかし250ccと125ccの経済性の違いは「任意」保険料だけだ。若い人たちには任意保険に加入しないでバイクに乗る人も少なくないと聞く。「別に強制力がない任意保険料だけの違いなら、250ccに乗っちゃえばいーじゃん、高速も走れるし」となっても不思議はない。
その点私は中年オヤヂだ。事故で何かあったら、自分だけではなく家族に迷惑がかかることも考えられる。それにバイクで高速に乗る気はない。多少ツーリングをすることはあるだろうけれど、長距離になるのなら自動車で移動する。あるいは、どうしても大きなバイクに乗りたくなったら、大型自動二輪の免許を取って750cc以上のクラスに乗るだろう。とにかく125ccのバイクは、私には重要な選択肢なのだ。それなのに現行で6種類とは…。唯一「これもいいな」と思えたのは、カワサキの「エリミネーター」というモデルだけだった。オヤヂがその辺の道をだらだら乗るにはなかなか相応しく見える。しかし安くはない。345,000円だ
http://autos.yahoo.co.jp/ncar/bcatalog/kawasaki/0401elim125_200512/
「なんだかなぁ」と思いつつ検索作業をしていると、面白い物が目に入ってきた。タイホンダの "HONDA Dream 125" というバイクだ。
日本では90ccが上限である名車「カブ」だが、東南アジアの国々では生活に役立つ実用車として日本以上の進化を遂げているらしいのだ。
考えてみればそりゃそうだ。東南アジアの人々にとってカブは決して安い買い物ではない。しかも日本より環境の厳しい中、生活を支えなければならない重要な乗り物なのだ。日本のものより丈夫でパワーがあることが求められるだろう。排気量も90ccにとどまらず125ccクラスも充実している。日本の大衆車のような位置づけのようだ。
若夫婦と子どもの家族の幸せそうな表情が魅力的だ。
私も幸せになりたい。
もう少し調べてみると、この "HONDA Dream125" の類は「タイカブ」などと呼ばれ、日本でも中々人気があるらしい。日本の現行モデルに満足できない人たちが結構愛用しているようで、性能的に更に上を行くタイカブに手を伸ばしているのだ。しかも、こういったタイバイクを逆輸入している店も結構ある。
ユーザは口を揃えたかのように言っている。
「日本の125ccクラスのラインナップは全然おもしろくない」そうだそうだ、全くだ。私も仲間に入れてくれ。
バイクの逆輸入車と言えばリッタークラスの超大型車ばかりだと思っていたが、そうでもないようだ。しかも東南アジアには「タイカブ Dream 125」以外にも、日本メーカーの現地法人による様々なバイクが流通しているらしく、逆輸入車も少なくない。逆輸入車、これは詳しく調べてみる必要がありそうだ。
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そしてやがてGN125にたどりついた。
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免許を取ってずいぶん経ってしまったけれど、遂に私のバイクが決まりました。中国製の、SUZUKI GN125 です。
http://www.dachangjiang.com/en/products/gn125/index.htm
前述した維持費(車検・任意保険料)の問題から125ccに的を絞っていろいろと調べて来たのですが、これこそまさに私の求めるバイクでした
中国製ですが、SUZUKIのロゴをつけていることから分かるように、SUZUKIの技術提携によるライセンス生産です。タイホンダなどと同じだと考えて良いでしょう。中国の「大長江集団 (Grand River Group)」という会社が作っています。スペックはというと、上のサイトにはこうあります。
それでいて価格は、新車なのに驚きの13万円台!
以前紹介した、"SUKIDA" の 125ccが 8888人民元だったことを考えると、中国国内とそれほど変わらない価格なのです。バイク界の100円均一店みたいです。
http://goobike.com/cgi-bin/search/search_result.cgi?type=07&exhaust1=&exhaust2=&model=1030319&baitai_name=&kind=
幸運なことに、このリストの中で13万円台の店が近所にあり、さっそく現車を見せていただきました。中国製ということで、多少の難点は目をつぶっても良いと考えていたのですが、いやいや、なかなかどうして立派な作りです。
店主さん曰く、これは以前国産されていた GN125 と全く同じだとのこと。燃費もかなり良く、加速などを楽しむことは出来ないけれど、生活ベースのバイクとしては十分のようでした。車体は小振りですが50cc程ではなく、教習所で味わった不安定感や恐怖感もありません。
googleで検索してみたところ愛好者は日本にも結構いるようでした。
"I'm Rider" という、バイク愛好者のサイトでは、以下のように評価されていました。
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SUZUKI GN125 125cc
長所: 20年以上前のデザイン。ホンモノのレトロ。それゆえ、適度な振動とエンジン音(ウルサイ??)疲れにくいポジション。シート高も低いです。非力だけど、回せばそこそこ早い。で、回せばナカナカすぽぉてぃな音。とくに、7000回転以上★12000までいきます。でも高燃費。輸入車ゆえライトのON/OFFスイッチが付いてる。安い乗り出し価格。20万です。エイプ50と一緒・・・
短所:
ブレーキの性能も20年以上前のモノですので(−−) ライトが暗い。35W 6速が欲しい・・・ リアキャリアが溶接されているので、必要ない人にとってはマジ邪魔。さびやすい。エンジン以外中国製なので、パーツは安いのですが、届くのに何日かかるのだろう・・・カスタムパーツ皆無
故障: トラブル: フロントブレーキの泣きくらい。
その他: とにかく乗りやすいです。初心者、女性はもちろん、ビッグオーナーのセカンドバイクとしてもお勧めだと思います。中国製ということで購入をためらってる方も多いかもしれませんが、エンジンは日本製、カナリ気合を入れて作られてる。
中国では白バイとして使われてる。
ブラジルなどでもソコソコ人気。
などから心配はないと思います。参考までにスペックを。11.3/9500rpm 0.82kgfm/8500rpm 全長1945mm、シート高735mm、乾燥重量107kg日本製とは違うので。(http://www.takibi.org/rider/garage/suzuki/125/gn125_01.htm より)
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いや、乗りだしは16万です、私の場合。^^;私が購入した店では、「パーツもちゃんと扱っている」とのこと。家の近くに販売店があるというのも、心強くてなによりです。
と言う訳で買っちゃいました! ^^
自宅の駐車場事情もあり、実際の納車までもう少し待たなければなりませんが、我ながら良いバイクを選べたとかなり満足しています。
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ついでに、安さの理由も考える。
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未だ駐車場が空かず納車まで2週間も待たなければならない。せっかく買ったのに乗ることができないのは、ちょっとしたストレスだ。ストレスを発散するため、GN125についていろいろ調べてみる。
まずは値段だ。いくら中国製とはいえ、新車で13万円台というのはやはり安すぎる。現地中国ではいったいいくら位で売られているのだろう?中国国内サイトの検索には、「百度」(http://www.baidu.com/) を使うのが一番らしい。とりあえずここで"GN125 价格"の2文字で検索してみる。
何がなんだかよく分からない。
仕方がないので、しらみつぶしにクリックをしているうち、こんなページを発見した。どうやら、中国のどこかの店の安売り情報らしい。
http://www.77moto.com/bbs/dispbbs.asp?boardid=12&id=2679
ここには「GN125就6380元」とある。なにぃ。日本のライセンスで生産して "SUZUKI" のロゴまでつけている GN125 が、"SUKIDA" の125cc、8888人民元より安い??
まぁ店によって値段が違うことはあるだろう。まして中国は日本どころではない所得格差のある国だ。地域や店舗によって価格が違うこともあるだろう。とりあえず、6380人民元という価格が発見できた。これを本日のレート、1人民元=14.81円で計算する。約95000円だ。これに輸入の費用、通関費用などを考えると、日本国内の価格138000円というのはかなり良心的、ということになる。
もちろん大量購入によるボリュームディスカウント、経費の節減は可能だろうけれど、街の小売店は卸し価格に多少は利益を上乗せしなければやっていけないだろうし、そう考えると GN125は輸入品としても破格に近いのではないだろうか。
もっともどの店でも13万円台売っている訳ではない。比較サイトを見ると、新車は13万円台から25万円台まで様々だ。もっとも高いものには「逆輸入」のマークがついていなかったりもするので、私の分からない事情があるのかもしれないけれど。
「もしかしたら」なのだけれど、このバイクにはまだ相場というものができあがってないのかもしれない。中国製品は100円均一ショップの登場まで、現地で30円のものが日本では500円で売られていたのだから、バイクの世界で同じようなことがあってもおかしくはない。ともかく、日本にどれだけ125ccバイクの需要があるのか分からないけれど、安上がりなバイクライフを考えているお金のないオヤヂには、13万円台の新車はありがたいことこの上ない。