SUZUKI GN125

GN125・原付2種東北耐久ツーリング 1日700q走行が何じゃ!

8、大間フェリーで恐山大祭へ

楽しかった北海道の思い出を胸に私は大間行きのフェリーに乗る。
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ありがとう、北海道。
北海道は行き当たりばったりに訪れた私を暖かく迎えてくれた。目を閉じれば北海道での日々が浮かび上がってくる。

ラッキーピエロ、ラッキーピエロ、そしてラッキーピエロ…。

また来るからな。




などと感慨にふけったいた私だが、乗船手続き時大変な事を知ってしまった。
私の前に並んでいた人の体に肘をぶつけても一言も謝らない女性が「**ツアー、函館と恐山大祭」と書いた企画書を持っていたのだ。

どうやらこの方はツアーコンダクターらしく30数名の名簿を持ち「椅子の席は空いていないのか?」と無茶を言っている。カウンターの女性は「椅子の席には数に限りがありまして」と対応に苦慮している。どうももともと椅子席の定員が30数名分もないらしい。しかもそれを乗船45分前に寄越せと言うのだ。さすがプロの仕事というものはすごい。


私は恐山の大祭なんぞ見たことがない。

恐山には何度か行っている。あの荒涼とした風景はかなり好きだし、以前家族で行ったときには「ここでキャンプをしてみたい」と言って娘に嫌われた。恐山の自然は美しい。考えが足りない娘だと思う。それはともかく、大祭にはたしかイタコが集まるはずだ。私は本物のイタコも見たことがない。これを逃したら一生本物のイタコには会えない気がする。この機会を逃す手はない。


今日は六ヶ所村の原燃と米軍三沢基地をフェンス越しに見学しようと思っていたのだが、急遽予定を変更する。


まずは大畑の食堂でいか刺身定食。1000円。

函館の朝市などより安くて量も多くおいしい。大畑はイカ漁が大変に盛んなのだ。ついでにホームセンターでウインドブレーカーを買う。980円。上着とレインスーツの兼用には無理があった。こうやって少しずつツーリングに慣れていくのだな。

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大畑から恐山へは薬研温泉経由の道を走る。この道にはなぜか「あすなろライン」などというさわやかな名前がついている。明日は成仏して立派な仏様になろうとでも言うのだろうか。



恐山

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正式名称は恐山菩提寺。

開山は貞観4年(862年)。開祖は天台宗を開いた最澄の弟子である慈覚大師円仁であるが、本坊はむつ市田名部にある曹洞宗円通寺、大祭の今日は比叡山延暦寺の貫主である天台座主(てんだいざす)という偉い方が真言を唱えに来ている。これが大祭のハイライトらしい。せっかくのチャンスなのでお経を聞かせていただく。

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とりあえず境内をぐるりと一周する。
硫黄の匂いが立ちこめるが、大変に美しい光景だと思う。もちろん霊場であることを頭に入れても、だ。

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恐山がなぜ霊場なのか、私は今まで「人は死んだらお山(恐山)に行く」という地域の信仰とこの荒涼とした風景からそうなったのだと思っていた。

しかし今回知り合ったイタコのご主人からエラい話を聞かされてしまった。

実は本堂の裏山は、昔姥捨て山だったというのだ。



「本堂の裏に危険だから入らないで下さいって書いた看板あるだろ?あそこ入っちゃだめだぞ。昔姥捨て山だったんだからな。」

「金歯拾いたいならいいかもしれねぇけどな。あはは。」


この話がどこまで本当なのか、私には分からないし、中古の金歯も欲しくない。

しかし過去日本に姥捨ての風習があったことは確かだし、イタコの修行は姥捨ての名目としてなされたという話もある。姥捨てではあまりに酷いので、修行ということにして老人を山に運び、生き残った物がイタコになった、という話だ。もちろん厳しい修行に耐えられる老人はそう多くなく、多くは亡くなったとのこと。

ご主人の話にも説得力がある。

それなら地元の人が霊場として畏れるのも当然だし、石の一つも積みたくなる。私はもうここでキャンプをしたいとは思わない。

聞かなければ良かった。




そんな恐山だが、ここの参拝は大変お得だ。
中に大変良い温泉があり、参拝客に開放されているのだ。
境内には4つの湯船があり、ふたつずつ男湯と女湯になっている。男湯は薬師の湯と古滝の湯という。掛け流しの硫黄泉で大変に気持ちが良いが、二つのお風呂には全く造りに違いがない。

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日差しが強く暑い日だったので、温泉で汗を流す。大変に気持ちがよい。温泉で体を休めたら、イタコさんたちが待っている。

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