喜多方でユースに素泊まりとなれば、夕食は自動的にラーメンとなる。
言っちゃ悪いが、少し昔まではラーメンなんて「ラーメンでいいか」的な食べ物だった気がする。一部の店を除いて特においしい物でも不味いものでもない、普通の軽食という感じだった。
ところがちょっと昔から、それぞれの店が味を競う傾向が発生し、いつのまにかご当地ラーメンらや名店やらが口コミで広まり、その辺の街の中華料理屋で出すラーメンはどんどん減速し、名前なり味なり何かアピールポイントを持った店が増えているように思う。これは悪いことではない。
そんな中、喜多方ラーメンはご当地ラーメンのはしりの一つではないだろうか。wikipediaにですら、「札幌、博多と並ぶ日本3大ラーメン」とあったので、あながち嘘でもないだろう。ちなみに蔵のまち喜多方老麺会は1987年あたりから動き出したらしい。
噂によるとそれまでの喜多方は失業率の高い陰気な街で、街興し的に地元で人気だったラーメンに目をつめたとのこと。更に真偽の程は分からないが、会津の里ユースホステルのペアレントさんもその運動に関わったという話もある。ここのペアレントさんは元官僚という噂もあり、いかにもありそうな話だ。
とりあえず私も素直に、老舗の一軒に行ってみた。定番店の一つである坂内食堂だ。
最近では都内でも「喜多方ラーメン坂内・小法師」の店を良く見かける。このチェーン店のサイトに喜多方店はないので無関係なのではないかと思いがちだが、実はそうでもない。「喜多方ラーメン坂内・小法師」を経営している株式会社麺食の役員には、坂内食堂のみなさんも役員であり株式保有者だ。
それでいてチェーン店にオリジナル店を入れないのは、元祖の矜持なのだろうか?部外者には良く分からない。とりあえず暖簾をくぐる。
さほど混んではいないが、地元の方らしき人も食べている。
中華そばが550円、他にはネギラーメン750円、チャーシューメン850円、ネギチャーシューメン950円。夕飯でもあるし、ここは一つ観光客らしくネギチャーシューメンを注文してみる。夕飯くらい蛋白質も欲しい。
最近のラーメンブームで、工夫をこらしたラーメンが出回る中では、もの凄く驚く程のラーメンではないが、普通においしい、そして昔ながらではない一つのスタイルを持つラーメンだ。人気があるのも分かる。
なにより、地元で喜多方ラーメンが愛されてる証拠の一つとして、この店は朝7時から営業している。ブームになったせいかと思ったら必ずしもそうではないらしく、昔から朝から営業している店も少なくなかったのだそうだ。なるほどなぁ、である。
日本3大焼きそばのうち二つの街は、少し喜多方ラーメンの努力を見習う必要があると思う。
ちなみにこの坂内食堂も老麺会に所属している。
会津の里ユースホステルにも、この老麺会の地図は当然の用に置いてあった。やっぱりここのペアレントさんは怪しい。
坂内食堂のネギチャーシューメンは普通においしくいただけた。
しかし私にはもう1軒行ってみたい店があった。事前調査でチェックした、喜多方警察署筋向かいの喜一なるお店だった。地元でさりげなく聞いてもそれなりに評価は高い。ただスープがなくなると閉店してしまうらしく、私が喜多方に到着した時には当然のように店は閉まっていた。こういうスタイルは少々残念だが、本当にスープがなくて営業ができないなら仕方がない。次回は必ず訪れて噂を確認したいと思う。
下は老麺会の地図だが、喜一はこの会に入っていないので、私が地図に書き込みをしておいた。この画像があまり小さいと全く役にたたないので、クリックすると多少は大きくなるようにサムネイル表示にしてみた。初の試みだ。
(↑ クリックで オリジナルサイズは640x892、最初はもう少し小さく表示されるかもしれませんが、画像左下に出る拡大マークをクリックすればオリジナルサイズになります。)