SUZUKI GN125

GN125・原付2種東北耐久ツーリング 1日700q走行が何じゃ!

19、最後の道は裏街道、国道294号線

1週間に渡る東北1週ツーリングもついに時間切れになった。

明日から私は、またあの悲しい仕事に戻らなければならない。
戻らないことも不可能ではないが、この場合一時の喜びの引き替えとしてはあまりにも大きな負債を背負うことになる。


この国は悲しい国だ。

わたしのようなだらしない社会人ですら、社会人というだけで2週間以上の旅行はまず不可能だ。一ヶ月旅行をしようと思ったら、一度仕事を辞めていただきます、というシステムになっている。ヨーロッパの人たちが年に1回のバカンスを楽しみに働くのに比べ、なんと貧弱な休暇環境なのだろう。


まぁ愚痴っていても仕方がない。
私にはまだ仕事をする意志がある。収入を絶って生きていけるほどの資産もない。悔しい悔しいと言いつつ帰るしかないのだ。


喜多方から首都圏に戻るにはいくつかのルートがある。

もしこれが車なら、素直に会津自動車道から東北自動車道に入るところだが、我が愛車GN125は道路交通法的には小型自動二輪、税制上からは原付二種というなんだか貧弱なカテゴリに入り、法律は「貧弱な乗り物は高速を走ってはいけない」と言う。分かってるわい!

東北と関東を結ぶ国道と言えば、国道4号線、6号線などの一桁国道がすぐ頭に浮かぶが、実はこの種の一桁国道は意外と走りにくいことが少なくない。幹線道路ではあるのだが、その分車両の通行量も多く信号も多い。渋滞の中走っては停止という場面が多いのだ。


そこで今回は国道294号線を走ってみることにした。
私は今回の東北ツーリングまで、この国道294号線についてよく知らなかった。どうせどうでもいいようなだらしない3桁国道なのだろうと思っていたのだが、実はこの道、都心に近い柏市の呼塚交差点から合図若松市までを走破している。油断も隙もあったもんじゃない。

しかもこの道、大きな街や観光地を避け、下妻、下館、真岡、黒羽、長沼といった地元の人以外誰も知らないような街を抜け、しかも猪苗代湖などの観光地すら通らない。夜逃げや都落ちに相応しい道だ。貧弱な原付二種には貧弱な道よく似合う。

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合図若松から国道49号線を東に走ると、すぐに「294、白河・湊」の分岐標識が目に入る。白河は知っているがこんな山奥に湊などという街があることは知らなかった。迂闊に入ったら遭難しそうな道だが、そこは勇気を持って走る。

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湖に表も裏もないとは思うのだが、「猪苗代湖の裏側」としか思えない山道を走る。潔いほど観光スポットはない

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たまに見える市街地はまさに山里だ。

R294_2.jpg



こんな山道を白河まで走る。

白河からは国道4号線が甘い声で「おいでおいで」と囁くが甘言に騙されてはいけない。
確かに国道4号線は車線も多いし道も良いが、その分交通量も多く信号も多い。今や昼間の一桁国道は近距離移動車のためのものであり、長距離移動車は深夜・早朝に走るしかないのだ。大きすぎてこの道を通らざるを得ない車両もあるだろうが、原付2種はあぜ道だって走ることができる。


白河市内で国道294号線は冷たい扱いを受け、市内駅前や旧市街などをうねうねと走る。ここだけはショートカットしても良いかもしれないが、私としては毒を食らわば皿までの精神でオリジナルの旧街道を走ることを鼻息荒くお勧めしたい。


白河から南は多少人家が増える。
増えると言ってもそこは国道294号線、たかがしれたものだ。白河から国道6号と合流するまでに見えた一番大きな建物がこれだ。

R294_jusco.jpg



「下妻のジャスコは渋谷のパルコにも負けね」

映画「下妻物語」の一場面を思い出し、心のそこから頷いた。

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