2006 タイ /バンコク・クラビ (Nasu 4歳)
旅先の誕生日
(2006.8 クラビ 13 natu4-5歳)
次女は夏休みの真っ直中に産まれた。
従って誕生パーティーはどうしても旅先で行うことになる。実はこれがなかなかやっかいなのだ。
まずは会場の手配。
ホテルの部屋で行っても良いのだけれど、ファミリールームやスイートなどリビングやキッチンがないと厳しい。そこでどこか小さなレストランででも、ということになる。だが、幼児の誕生会に使えるような適当なレストランは、旅先ではそう簡単には見つからない。万一貸し切りになってしまうのも困る。我が家にそんな金はない。
ほとんどの場合、我が家は8月にはタイにいる。タイのホテルには安くてサービスの良いところが多いし、タイ人も面倒見が良いので、ついついホテルのレストランを使ってしまう。幼児の誕生日にホテルのレストランとは何事か、という気もするが、しかたがない。
次がプレゼントだ。
「日本で用意しておけばいいんじゃね?」と言われそうだが、全くもってその通りだ。しかし、旅行前の忙しさに追われ、ついつい「現地で買えばいいや、その方が安上がりだし」と買わずに出発してしまう。荷物を余計に持ち歩くのが嫌だという事情もある。そこで誕生日の1〜2日前には、父はバイクで街を走り回るはめになる。大抵半日がかりだ。
そしてケーキだ。
タイにはケーキ屋はそれほど多くはない。都市部ならまだしも、ちょっと田舎になるとケーキ屋があるかないか、というところもある。ましてや、名前の入ったバースデーケーキを注文となると簡単ではない。どうしてもホテルのコンシェルジェかレセプションに相談することになり、結局ホテルのレストランを使うことになる。
ホテルのレストランで誕生日をお祝いすることを私は望んでいないし、多分次女も(事情が分かれば)望まないだろう。幼児の誕生会なぞ、近所のお友達を家に招待して、ケーキとパスタ、チキンなどを用意し、最初の10分だけケーキで盛り上がり、あとはだらだら遊んで流れ解散、これが理想なのだ。
招待することによって招待され、招待されることによって招待する。そして幼児的社交界が広がる。本当はこうありたい。しかし両親及び姉兄は、次女の幼児社交界のために貴重な旅行を中止する気などさらさらない。
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さて、今年の誕生パーティー会場はクラビだ。
まずはケーキの手配。全てはここから始まる。
今年のレセプションは話が早く、1ポンドのバタークリームケーキを300バーツであっさり手配してくれた。しかも名前入り。うーん、さすがファラン(タイ語で西洋人を指す)御用達のリゾート地。やるものだ。試しに「英語ではなく、日本語で名前を入れて欲しい」とサンプルを書いたら、柔らかく断られた。パテシェにはパテシェの技術的事情があるのかもしれない。
続いてレストランでメニューの相談。
これはそれほど困ることはない。毎年、パスタ、サラダ、チキン、飲み物程度で済ませている。値段も特に高いということはなく、普通のディナーと同じだ。ただテーブルの位置とケーキとプレゼントがあることだけは、事前に伝えておく。
困ったのはプレゼントだ。
その辺を歩けば外国人向きの不当な高値の土産物は山ほどある。しかし5歳の幼児が喜ぶかというと微妙だ。困った私は街までバイクを走らせ、さくらカフェで相談する。
「えーと、5歳児が喜びそうな小さなバッグに色鉛筆、ノートなんかをプレゼントにしたいんですけれど…」
「あー、そんなんでしたら、ここの道をまっすぐ行ったところに…(中略)、それから右に数件目に…(中略)。こんなところに行けばいいと思いますよ。」
極めて具体的で的確なアドバイスだ。
さくらカフェ様、ありがとうございます!^^
さくらカフェで教えてもらった小さなデパートの上の階で、プーさんの小さなショルダーバッグ、その中に入る色鉛筆セット、鉛筆削り、ノート、プーさんのお財布、あとキャンディーを買い、カードにメッセージを書き、その全てをプーさんバッグに詰め包装してリボンをつけてもらう。ちなみに包装、リボン代は25バーツ。
8月某日夕刻、パーティーは始まった。
まずはケーキとプレゼントの登場。
たまたま同じ日の夜にパーティーの予約が入っているらしく、レストランにはセットアップを終えたばかりの鍵盤奏者(といってもMIDIを再生するだけ)がいて、"Happy Birthday〜♪"の曲を流してくれる。大事だ。^^;
歌を歌いながらケーキとプレゼントをケーキとプレゼントを持ってきてくれたのは、なんとレセプションの女性二人。あ、あの〜、レセプション空にしてもいいんですか? ^^;;
ケーキは一番小さな1ポンドサイズだったけれど、それでも我が家には十分だ。正直、タイのケーキあんまりおいしくないんだもん。しかし装飾は悪くない。クラビ特有の海と岩山を描き、その上に英語とはいえちゃんと名前まで書いてあって良い記念になる。
レセプションの女性とレストランの従業員が歌う中、家族はあまり歌わない。口を小さく開けて、聞こえない程度の声でもにょもにょ音を出す。恥ずかしいのだ。そして羞恥心は日本人の美徳なのだ。大声で歌わなくても済むという点に於いては、レストランでの誕生パーティーはありがたい。
プレゼントを開けたら、あとは普通の夕食だ。
最初の15分だけ「おめでとう」とか「プレゼントは何かな?」とか「5歳になったら何するの?」などと話してはいるが、それを過ぎたらいつものように食べるだけ。ま、こんなもんだ。
さて気になるお値段。
ケーキがホテルの手配で1ポンド300バーツ。料理などは1人前ずつ注文すると高くなってしまうので、「全員で5人。パスタを200バーツにサラダを150バーツ分、フルーツを150バーツ分 (これ我が家の得意技) 、あとメニューにあるチキン」などと注文し、おおよそ1000バーツ程度に収まった。
日本円にして約3000円。家でやるより安上がりかも。^^