2006 タイ /バンコク・クラビ (Nasu 4歳)
17 ソンブーン・レストラン/バンコク
(2006.8 クラビ 17 natu5歳)
なんでもおいしくいただける我が家だが、バンコクにはどうしても素通りできないレストランがある。「ソンブーン(建興酒家)」だ。有名店で、今やどんなガイドブックにも載っている。名物は「プーパッポンカリー」という蟹を卵とナムプリックをカレー風味に仕立てた料理だ。
この料理は結構油っぽい。なんでもおいしくいただける我が家も実は油っぽい料理はやや苦手なのだが、ここのプーパッポンカリーは別だ。ご飯(カオ・スァイ)は必要だが、どんどん箸、じゃないや、スプーンが進む。この料理はここソンブーンが元祖らしい。店を構えて30年を過ぎ、レストランの浮き沈みが激しいバンコクでは老舗に入る。
バンコク市内には、大通り沿いのスリウォン店、MKBそば(国立競技場裏側)の本店、あと新空港側のバンナー地区の3店があると思っていたのだが、いつの間にか支店が増えたとのことで今やバンタットンやラチャダー、あと忘れてしまったけれどもう1件、全部で6店にも増えたのだそうだ。観光客の少なめなバンナーに店が出たことでも、バンコク市民にも支持されていることが分かる。
スリウォン店しか知らなかった頃は、渋滞にもめげずタクシーで出かけていたが、MBKの側(歩いて10分ほど)にも店があることを知って以来、MBK→ソンブーンは定期巡回コースとなった。途中に点心食べ放題などの店も発見しているのだが、ソンブーンの魅力には勝てずずっと素通りだ。
ソンブーン本店に着く。このエリアはソイ(路地)がたくさんあるのでちょっと見つけにくいが、南北に走るバス通りにも面しているので少しがんばれば必ず発見できる。
ここにつくと我が家恒例の儀式が始まる。「カニウェーブ」だ。
店頭には、手足を拘束された蟹が、半死半生の状態で並んでいる。このカニの上に手をかざすとカニが何とか反応しようと必死で脚を上げる。手を動かすとたくさんのカニがウェーブをするのだ。長男はモノゴゴロついた頃からこの「カニウェーブ」を行う。仕込んだのは私だ。
無事カニウェーブを執り行ってから食材を選ぶのだが、ここでは我が家はあまり一生懸命食材選びはしない。メニューの料理で十分なのだ。
必ず注文するのが、もちろんプーパッポンカリーにカオスァイ。別にこれだけを注文しても良いのだ。ハーフサイズのプーパッポンカリーにすれば飲み物を入れても200バーツもかからない。結構油っぽいので、5人家族でもハーフサイズで十分だ。
しかし夕飯となるともう少し品数がほしい。そこでシーフード料理店では必ず注文する「ホイサン」と呼ばれる巻き貝の炭火焼きを注文する。これは全員の好物なので、一皿70Bのところ「200バーツ分おくれ」と豪毅に注文することも多い。
そしてヤムウンセン。タイといったらヤムウンセン。ヤムウンセンで飲むビールはタイの至上の喜びだ。毎日毎日ヤムウンセンでビールを飲んでいる気がする。
あと野菜炒めや飲み物などを頼み、エビも少し焼いてもらう。タイ最後の晩餐とする。ソンブーンで締めればタイの食事に思い残すことはない。
トイレに立った子どもが「お父さん、小泉総理」と声をかける。何事かと思って行ってみたら、来店時の写真が飾ってあった。総理大臣ってホテルのメインダイニングや高級レストランに行くのが基本だと思っていたのに、こういう店にも来るんだなぁ。これも私たちの血税なのだろうが、高い店じゃないので許す。
バンコクにいったらソンブーン。ガイドブックに載っているからといって馬鹿にしてはいけない。定番の店で素直に食べると、意外と簡単に幸せはやってくる。
ソンブーン SOMBOON(建興酒家)
895/6-12 Chula Soi8, Bangthadthong Road, Pathumwan, Bangkok
電話 2216-4203-4 , 0-2214-4927